【医師監修】陣痛促進剤とは?リスクはあるの?出産にかかる時間や費用は?

出産を控えているママなら耳にしたことがある陣痛促進剤ですが、どのような状況のときに投与が必要になるのでしょうか。また、実際に使うことになった場合には痛みがあるのか、気になるリスク、出産までの時間や効果、投与した際に発生する費用などについてご紹介します。

陣痛促進剤とは?

点滴 妊娠促進剤

出産予定日が近づくとママの体内からは子宮の収縮を促すホルモンが分泌され、陣痛が始まり出産に繋がります。

ですが、出産予定日を過ぎても陣痛がこない、陣痛がきても痛みが強くならずに分娩が進まないなど、スムーズに出産が進まない場合に人工的に陣痛をコントロールするために使われるのが陣痛促進剤です。

陣痛促進剤の種類

陣痛促進剤には「オキシトシン」と「プロスタグランジン」の2種類があり、どちらも女性の体から分泌されるホルモンを合成してつくられています。内服と点滴の方法があります。

◇オキシトシン

オキシトシンとは、分娩が近くなると脳の最下部である脳下垂体から分泌されるホルモンです。オキシトシンは点滴で投与される陣痛促進剤で、子宮の筋肉や乳房の筋肉に作用して、陣痛を起こしたり射乳を起こしたりします。

◇プロスタグランジン

プロスタグランジンは体内で自然につくられるホルモンで、点滴による投与と錠剤による経口投与の2種類があります。子宮の筋肉に直接作用させることで、陣痛を起こしたり陣痛を強めたりします。

点滴・錠剤どちらの陣痛促進剤も、効果や経過をみながら、量を調整して投与されます。万が一異変が生じたときにすぐに投与を中止することができるように、点滴を使用するケースが多いようです。

陣痛促進剤を投与するケースはどんなとき?

医師 妊婦

陣痛促進剤を投与するケースはお産が長引くことがリスクとなる場合に使用されます。陣痛促進剤は医師が必要だと判断して使えるものなので、個人の都合で使用することはできません。

出産時に緊急的に突然使われることもありえるので、慌ててビックリしないように、どのようなケースで投与されることがあるのか、あらかじめ知っておくと心の準備ができるでしょう。

予定日を超過した

予定日を過ぎても陣痛が起きないと胎盤の機能が低下したり羊水量が減り、赤ちゃんに十分な栄養が届かなくなることがあります。医師の判断によりますが、予定日から1~2週間以上経過して胎児が子宮内にいることにデメリットが生じた場合に投与します。

ママと赤ちゃんの健康上に問題がある

ママの子宮が菌に感染して赤ちゃんの健康上に悪い影響が出そうな場合や、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症が悪化したり、長時間のお産がママと赤ちゃんに負担を与えて危険を招くと医師が判断した場合に、陣痛をつけたり強めたりします。

破水しても陣痛がこない

陣痛が始まる前に破水してしまうことを「前期破水」といいます。通常、赤ちゃんは羊水に守られていますが、破水してしまうと子宮内が細菌に感染しやすくなり、ママと赤ちゃんに感染症のリスクが高まります。

そのため、破水してからはなるべく早めに出産した方がよいことがあるので、状況によって陣痛促進剤を投与して陣痛を促します。

陣痛が始まっても分娩が進まない

自然に陣痛がきたものの、陣痛が弱くて強まらない、痛みの間隔が短くならない、痛みはあるが子宮口が開いてこないなど「微弱陣痛」の状態で分娩が進行しないような場合に使用することがあります。分娩が長引くと、ママの体力も消耗し、赤ちゃんにも負担がかかってしまいます。

また、「微弱陣痛」で分娩が進まず、緊急帝王切開になってしまうこともありますが、それを避けるための対処法として陣痛促進剤を投与する場合があります。

計画分娩の場合

また、陣痛が始まるのを待つ自然分娩ではなく、事前に予定日を決めて出産をする計画分娩の場合も、人工的に子宮収縮を起こす必要があるため、陣痛促進剤を使用します。

無痛分娩を希望する場合は、計画分娩が選択されることも多いです。

陣痛促進剤の副作用やリスクは?

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陣痛促進剤の投与は安全なお産をするためとはいえ、気になるのが副作用やリスクについて。事前にきちんと理解しておくことが大切です。

副作用について

◇子宮にあらわれる症状

過強陣痛…子宮口の開きに具合に対して陣痛が強すぎる状態
子宮破裂…分娩時に子宮の筋肉が裂けてしまう
陣痛微弱…陣痛が弱く長引いてしまう

◇消化器にあらわれる症状

吐き気や悪心の症状があらわれる場合がある

◇胎児、新生児にあらわれる症状

新生児黄疸の頻度が高くなる可能性がある

副作用やリスクを知ると不安を感じてしまうママもいるかと思いますが、陣痛促進剤は上手に使うことで母子の状態悪化を回避するための薬です。陣痛促進剤は使用する投与量を慎重に調整する必要があり、安全な使い方に関するガイドラインが決められています。

投与するときには必ず分娩監視装置をつけ、赤ちゃんの心拍や胎動、陣痛の強さや間隔を絶えず観察して、薬の注入量やタイミングを個々の状態に合わせて調整していくので、過剰に心配はする必要はないでしょう。

ただし、陣痛促進剤を投与して急激な痛みを感じたり、異変を感じた場合は、すぐに助産師さんに知らせましょう。投与を中止して、適切な処置がおこなわれます。

陣痛促進剤は痛いって本当?

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人工的に陣痛を誘発させる陣痛促進剤を使うと、陣痛の痛みに違いがあるのか気になりますよね。

痛みの感じ方は個人差が非常に大きいため、自然分娩の場合でも陣痛促進剤の場合でも、痛みを強く感じる人もいれば、そうでない人もいます。

一概には言えませんが、出産には何らかの痛みが伴うものと考えておくのがよいかもしれませんね。

陣痛促進剤を投与してからの出産までかかる時間はどのくらい?

時間 時計

陣痛促進剤の効き方には個人差があるので、促進剤を使ってすぐに陣痛が強くなり出産に結びつく妊婦さんもいれば、なかなか陣痛がつかずに数日かかる妊婦さんもいます。個人差があるということを踏まえたうえで、4人の出産経験者の体験談を紹介します。

体験談1.前期破水したママ

破水したものの陣痛がこなかったので、陣痛促進剤を使いました。陣痛促進剤の点滴を打ってから、2時間半後には産まれました。陣痛促進剤を打ってから1時間後くらいからいっきに陣痛が強まったような気がします。

体験談2.予定日超過したママ

予定日を過ぎても陣痛がこなかったので、陣痛促進剤を使いました。錠剤のタイプの陣痛促進剤を3錠ほど飲んだところで本格的な陣痛がきて、それから点滴に切り替えて約10時間ほどで産まれました。その後二人目を自然分娩で出産したのですが、痛みや苦しさ、時間は陣痛促進剤を使ったときとあまり変わりませんでした。

体験談3.微弱陣痛だったママ

陣痛が始まって途中で破水して、約8時間経ったところで子宮口が8~9センチまで順調にいきました。しかし、その後は子宮口全開まであと1センチがなかなか開かずに2時間が経過しました。その間陣痛が弱く、陣痛の間隔もだんだん伸びてきました。結局陣痛促進剤を使ってから痛みも強くなり、お産の進みも早くなって無事に出産となりました。

体験談4.投与開始から4日目で出産したママ

内服薬の陣痛促進剤を2日間飲みましたが効果がありませんでした。3日目で点滴の陣痛促進剤に切り替えて、さらにバルーンも入れたところでやっと陣痛につながり、出産しました。妹の場合も、陣痛促進剤を内服開始から3日間使っても陣痛はなし、4日目でバルーンを入れたらやっと陣痛がきました。

陣痛促進剤は医師の判断で正しく使えば大丈夫

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陣痛促進剤を使用することに不安やリスクを感じるママも多いかもしれませんが、医師によって正しく使えば出産時のトラブルを解消してくれる薬になります。

お産が長引くことによってママや赤ちゃんに危険が生じる場合など医師の判断により使用する場合は、なぜ必要なのかどの薬をどのように投与するのかをしっかり確認して納得したうえで使用を承諾しましょう。

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