赤ちゃんにゲップをさせるコツ!いつまで?出ない時の対処法は?
赤ちゃんにゲップを出させる理由
ゲップの正体は、食べ物と一緒に飲み込んだ空気あるいは食べ物を消化する際に発生するガス。赤ちゃんにこのゲップをさせる理由には、以下のものがあげられます。
吐き戻しを防ぐため
特に生後間もない新生児の赤ちゃんは、ミルクを飲むときに空気も一緒に飲み込んでしまいがちです。
実は、赤ちゃんは鼻呼吸が基本で、ミルクを飲みながら呼吸もしているので、ゴクゴクと飲み続けることができます。しかし、同時に空気も一緒に飲み込んでしまいます。
授乳直後はゲップをさせて空気を出してあげないと、胃が張ってしまい、飲み込んだミルクが空気の塊とともに胃から逆流して吐きだしてしまいます。
吐き戻しで軌道にミルクが詰まる恐れがあるため
ゲップが出ないと、飲み込んだ空気と一緒にミルクを吐きだし、気管にミルクが詰まってしまうことがあります。ミルクが詰まると窒息の恐れがあるため、赤ちゃんにとってはゲップをして空気を出してあげることは大切。
また、胃に溜まった空気がお腹を圧迫し、赤ちゃんが不快に感じたり苦しむことも。胃の中の空気やガスをゲップで上手に出してあげるようにしましょう。
赤ちゃんのゲップはいつまで必要?
ゲップをさせる時期は、赤ちゃんによって差があるので一概には言えませんが、一般的には首がすわってくる生後5~6ヶ月頃とされています。
生後半年もすると赤ちゃんは寝がえりなど身体を動かせるようになり、自分で自然とゲップを出せるようになってくるからです。
ただし成長には個人差があるので、授乳後も苦しそうにしている場合はゲップをさせてあげましょう。あまり時期は気にし過ぎず、赤ちゃんがコツを覚え、自分でゲップできるようになったらゲップさせるのを止めてみると良いでしょう。
赤ちゃんにゲップをさせるコツ
初めてだと赤ちゃんにゲップをさせるのも簡単ではありません。そこで、赤ちゃんにゲップをさせるときのコツをいくつかご紹介します。
ゲップをさせるときはミルクを吐き出すこともあるので、ママやパパの肩や胸元にガーゼをあてておくと安心ですよ。
赤ちゃんの胃を肩で刺激しトントンする
1.赤ちゃんの胃がママの肩と同じ高さになるように縦抱きにします。
※赤ちゃんの首がすわっている場合は、自分の胸の辺りに赤ちゃんの顔がくるように抱き上げると良いでしょう。
2.ママは体を少し後ろに傾かせ、赤ちゃんがやや前かがみになるようにします。
3.赤ちゃんの背中を軽くトントンとたたきます。
※強くたたくとゲップが出なくなるため、優しくたたいてあげてください。
赤ちゃんの背中を空気を押し上げるイメージでさする
1.赤ちゃんのおしりを片方の腕にのせ、背中を少し丸めるような前かがみの体勢で縦抱きにします。
2.赤ちゃんのおしりの上あたりから首付近までを手のひら全体でさすります。
※コツはゆっくりと下から上へ、空気を押し上げるイメージでやさしくさすってあげるのがポイント。さする場所は背中から始めても構いません。
赤ちゃんを膝の上に座らせて促す
1.椅子に座り、赤ちゃんを膝の上に横向きにして座らせます。
2.片手で赤ちゃんのあごを支えながら、赤ちゃんが前かがみになるように、前の方に上体を少し倒します。
※倒すときのコツは、赤ちゃんの食道から胃にかけて一直線になるようにすることです。真っすぐにすることで胃の内部に溜まった空気の通り道ができ、赤ちゃんがゲップをしやすくなります。
3.背中を軽くトントンしたり、下から上へさすったりしましょう。
赤ちゃんがゲップをしない!対処法は?
いくらゲップをさせようとしても赤ちゃんがゲップをしない、という状況は少なくありません。ゲップを出させようと5分程おこなっても、赤ちゃんの体が緊張していたりすると出ない場合もあります。
もし赤ちゃんがいつまでもゲップをしないのであれば、無理に出させる必要はありません。レディスクリニック石黒によると、赤ちゃんによってはミルクを飲んだ後にゲップをせずぐっすり寝ている子もいるため、神経質になることはないそうです(※1)。
無理にゲップを出させようとして背中を強くたたいたり、出るまでトントンし続けたりしないでくださいね。様子を見るときは以下の方法を試してみてください。
赤ちゃんの右半身を下にして、もしくは頭を高くして寝かせる
抱っこしてもゲップが出ず、苦しそうにしている場合は、赤ちゃんの右半身を下にして布団に寝かせてみましょう。
このとき、寝ている途中で赤ちゃんが仰向けにならないように注意。仰向けで寝ている状態で赤ちゃんがゲップと一緒にミルクを吐いた場合、ミルクが気管を塞いでしまう恐れがあります。
寝かせるときは、体と顔を横向きに。背中の方に丸めて少し固くしたタオルなどを置くのがコツです。赤ちゃんが後ろに倒れそうになったとしても、タオルが赤ちゃんを支えてくれますよ。
また、バスタオルや座布団を赤ちゃんの上半身の下に敷き、頭を高くして寝かせるのも効果的。しばらくして抱っこすると、ゲップが出ることもありますよ。
赤ちゃんがゲップと一緒にミルクを吐くのは問題あり?
ミルクを飲んだ後、赤ちゃんがゲップと一緒にミルクを吐くことがあります。ミルクを吐くとママやパパは心配になるかもしれませんが、通常はさほど心配する必要はありません。
赤ちゃんの胃は大人と違ってとっくりのような形をしており、入口の締まりが弱いのでゲップと一緒に吐き戻しやすいのです。また、赤ちゃんは自分の胃に入るミルクの量を把握することができていないので、ゴクゴクとミルクを飲んでいるうちに容量オーバーになることもあります。すると、胃に入りきらなかった分のミルクが食道を通り、ゲップと一緒にもどしてしまうことがあります。
ミルクを一緒に吐いた後、赤ちゃんがいつも通り元気であるならば、心配いらないでしょう。気になる場合は、授乳中にときどきゲップをさせながら飲ませてみるのもおすすめです。
病気が原因の場合もある
大抵は、赤ちゃんがゲップとミルクを一緒に吐いても問題ありませんが、場合によっては病気による吐き戻しの可能性もあります。
授乳のたびに激しく嘔吐するときや、よく飲むにもかかわらず体重が変わらない場合は、「肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)」と呼ばれる病気の恐れがあります。中野こども病院によると、この病気は生後2週間頃から2ヶ月頃の間によくみられる病気と言われています(※2)。
嘔吐が続く場合や、噴水のように激しくもどす場合、体重が増えない・減っていく場合は、至急小児科を受診しましょう。特に体重の減少は危険信号と言われています。
慌てず赤ちゃんに合った方法でゲップをさせてあげましょう
生後間もない場合は特に、赤ちゃんもうまくゲップが出来ないことがあります。慌てず、少しずつ慣れていきましょう。すぐにコツがつかめないからといって、焦る必要もないので心配し過ぎないでくださいね。
また、上手に飲めていてゲップをあまりしない子もいます。しばらくトントンしても出ないなら寝かせても構いません。赤ちゃんによってゲップが出るタイミングは異なりますし、仮にゲップが出ないとしても後々おならとしておしりから出ることもあります。
ただし、もし不安に思うことや気になることがあれば、自分だけで考えずかかりつけ医に相談してみてくださいね。
※1 参考文献:レディスクリニック石黒 子育てQ&A
※2 参考文献:中野こども病院 日常の小児科疾患 家族編
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