日本脳炎ワクチンの予防接種の時期や間隔、副反応について

蚊を媒介する日本脳炎の発病を防ぐには、予防接種が欠かせません。一旦発病すると重症化するだけでなく、後遺症や命の危険に及ぶ可能性も。そこで今回は、日本脳炎ワクチンの予防接種を受ける年齢・時期・間隔・回数から、気になる料金や副反応までをまとめました。また、近年の日本脳炎ワクチンの不足についても知っておきましょう。

日本脳炎とは?

蚊 日本脳炎

日本脳炎は「コガタアカイエカ」という種類の蚊が媒介する感染症です。日本脳炎ウイルスを持った豚を刺した蚊が人間を刺すことで、日本脳炎ウイルスの感染が広まります。

主に、九州・中国・四国といった西日本地域で流行しやすい傾向にあります。

日本脳炎の症状

1~2週間程度の潜伏期間を経て、40度以上の高熱や嘔吐、下痢、頭痛などが現れ、症状が悪化するとけいれんや意識障害、筋肉の硬直などが生じます。

日本脳炎ウイルスに感染しても発症しないケースが多いものの、発病すると、後遺症が残ったり最悪のケースでは死に至ることも。

国立感染症研究所によると(※1)、日本脳炎ウイルスに感染した100~1,000人に1人の割合で発病し、致死率は2~4割前後にも及び、回復しても半数程度に重度の後遺症が残るとされています。

日本脳炎ワクチンの予防接種の効果

予防接種 注射

日本脳炎はひとたび発病すると有効な治療法がないため、予防接種を受けることが最大の予防法です。

厚生労働省によると(※2)、日本脳炎ワクチンを予防接種することで、発病のリスクを75~95%減らすことができると報告されています。これにより、接種対象の年齢や時期に、推奨されている回数の予防接種を受けることが呼びかけられています。

日本脳炎ワクチンの予防接種のスケジュール

手帳 予定

予防接種には「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類があり、日本脳炎は不活化ワクチンです。不活化ワクチンは、生ワクチンに比べて一度の予防接種で得られる免疫力が弱いため、何回かに分けて予防接種を受ける必要があります。

日本脳炎の予防接種の回数は計4回とされており、1期(初回~3回目)と2期(4回目)に分けられます。

標準的なスケジュールは、1期の初回年齢が3歳のときに6~28日の間隔を空けて2回。その後、約1年の間隔を空けて4歳のときに1回受けます。2期の年齢は9歳のときに1回の予防接種を受けます。

特に1期から2期の予防接種の間隔が空いてしまいますが、忘れることなく決められた回数を受けることが大切です。

1期初回(計2回)3歳のときに2回(6~28日の間隔を空ける)
1期追加(1回)4歳のときに1回(初回接種から約1年の間隔を空ける)
2期(1回)9歳のときに1回

予防接種の間隔が空いてしまったら?

上記が標準的な日本脳炎の予防接種の年齢・時期・間隔・回数ですが、1期の接種対象年齢は生後6ヶ月~7歳6ヶ月まで、2期の接種対象年齢は9歳以上13歳未満となっています。

例えば、1回目の予防接種を受けたあとに間隔が空いてしまっても、接種対象年齢であれば定期接種で受けることができるので、早めに決められた回数を接種しましょう。

不明点があったり不安な場合は、かかりつけの病院で相談し、スケジュールを立てていきましょう。

予防接種をしないまま成長してしまったら?

日本脳炎の予防接種を受けた後に重病が発症した例を受けて、2005~2009年度までは日本脳炎の予防接種の案内が控えられていました。そのため、日本脳炎の予防接種を一度も受けていない子供がいるのです。

現在では、1995年6月1日~2007年4月1日までに生まれた子供は、20歳になるまで定期接種で日本脳炎の予防接種を受けることが可能になっています。詳細は自治体に確認してください。

日本脳炎ワクチンの予防接種の料金は?

料金 費用 価格

予防接種には、国が接種を勧める定期予防接種と、任意で接種を判断する任意接種の2種類があります。このうち定期予防接種は、接種対象年齢(期間)であれば料金は原則、自治体が負担します(任意接種は基本的に自己負担)。

定期予防接種自治体が負担
任意接種基本的に自己負担(一部自治体が負担)

定期予防接種の対象年齢が近づくと、自治体から申請書が送付されます。申請書を持参のうえ対象の病院を受診すれば、無料で予防接種を受けることができます。

日本脳炎の予防接種は定期予防接種にあたるため、料金はかかりません。しかし、定められた年齢(期間内)に受けないと自費になることも。

住んでいる市区町村によっては、案内が届かないこともあるため、母子手帳で接種時期・間隔・回数を管理してください。

日本脳炎ワクチンの予防接種の副反応は?

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子供の予防接種を受ける際に気になるのが副反応。日本脳炎の罹患リスクを減らすことができる反面、健康を損なうリスクが心配ですよね。

厚生労働省によると(※2)、日本脳炎の予防接種を受けた生後6ヶ月~7歳6ヶ月までの子供の中には、発熱、鼻水、せき、注射した部分の腫れや発疹などの副反応が報告されています。また、これらの副反応のほとんどは予防接種を受けた3日後までに現れています

大半が心配のない副反応だと考えられていますが、「発熱が2日以上続く」「腫れの範囲が広範囲に及ぶ」などがあれば、念のため病院を受診しましょう

ごく稀に、アナフィラキシー様症状、ショック、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、脳症、けいれん、急性血小板減少性紫斑病などの重大な症状がみられることがあるようですが、これらの症状は日本脳炎の予防接種との因果関係は明らかになっていない部分があり、副反応とは限らないものも。

副反応について心配であれば、事前に医師に相談してみましょう。

日本脳炎ワクチンの予防接種を受ける前の注意点

注意 点

日本脳炎の予防接種を受ける前に、当日の子供の健康状態を確認してください。37.5度以上の発熱やせき、体調不調等の異変がある場合は、予防接種を見合わせてください

体調には個人差があるため、心配な場合は医師に相談して判断してもらうとよいでしょう。

日本脳炎ワクチンが不足している?

予防接種 ワクチン 不足

2017年7月時点、小児科学会によると(※3)、日本脳炎ワクチンについては、供給量が十分でない状況が今後しばらく続くことが予想されていました。

主な原因として、熊本地震によりワクチン製造工場が被害を受けたことに加え、日本脳炎の予防接種の需要が拡大したことが挙げられます。これにより、日本脳炎のワクチンが不足する状態が全国的に拡大。

しかし、2018年1月には熊本地震により被災したワクチン製造工場の出荷が再開され、全国的なワクチン不足は生じない見込みと厚生労働省から発表がありました。(※4)

とはいえ、たとえワクチンが足りていたとしても、医師と相談して計画的に予防接種のスケジュールを決めていくことが大切です。

日本脳炎ワクチンの予防接種で事前に病気を防ごう

予防接種 病院 カルテ

日本脳炎の予防接種は、ワクチン接種後に健康被害が起きたとして、2009年度まで接種が一時的に控えられていた時期がありました。しかし現在では安全性の高いワクチンが開発され、予防接種を受けることが推奨されています

日本脳炎は感染しても大半が発病せずに済むと考えられているものの、発病すると大変深刻な症状、後遺症を招きかねません。

予防接種によって、リスクを大幅に減らすことが可能なため、子供の健康を守るためにも、定められた年齢・時期・間隔・回数を受けるようにしましょう。

※1 参考文献:国立感染症研究所 感染症情報センター 日本脳炎Q&A第2版
※2 参考文献:厚生労働省 日本脳炎ワクチン接種に関するQ&A
※3 参考文献:日本小児科学会 学会の考え方・提言・見解等
※4 参考文献:乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンの供給等について

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