授乳中の薬は母乳や赤ちゃんに影響がある?注意点は?

授乳中のママでも風邪をひいたり体調がことがありますよね。そんなときはに頼りたいですが、母乳を飲ませている赤ちゃんに薬の副作用が出たらと心配になる人も多いでしょう。授乳中のママは薬を飲んではいけないのでしょうか?そこで、授乳中に薬を服用する場合の注意点や、安全な薬、危険な薬についてまとめてみました。

授乳中の薬は母乳に影響するの?

授乳中 母乳

授乳中のママでも、風邪を引いたり、頭が痛くなったり、便秘になったりと、様々な体の不調を感じることがあります。そんなとき、「薬を服用したら母乳に薬の成分が移行してしまうのだろうか?」「赤ちゃんに影響はないか」と不安に感じるママが多いのではないでしょうか。

しかし、授乳中のママが薬を服用しても、乳腺組織を循環している血液を通して母乳へ移行する薬剤の濃度は、わずかな量であるとされています。

内科・小児科専門のふたばクリニックによると(※1)、実際に母乳の薬剤濃度を計測したところ、母乳への移行率は1~0.5%程度と微量。このくらいの影響であれば、新生児・乳児への影響する可能性は極めて少ないと言われています。

授乳中に薬を飲んだら断乳すべき?

母乳 粉 ミルク

授乳中に薬を服用しても母乳への薬の移行はごくわずかでしかない、このことは現状正しく浸透はしているとはいえません。日本では、乳児への影響を過度に懸念しすぎて、「授乳中に薬を飲むと赤ちゃんに母乳をあげてはいけない」と授乳を簡単に中止する傾向がみられます。

市販薬の注意書きを見ると、ほとんどの薬に「授乳中の服用は赤ちゃんに影響を与える恐れがあるので控えましょう」と注意書きがあります。これは製薬会社が製造物責任法(PL法)にのっとり、最悪の場合を想定して注意喚起しています。

国立成育医療センターによると、この「授乳を中止」と書かれるような説明書きも科学的な裏付けに乏しく、今の時代にそぐわない点が指摘されているようです(※2)。

薬を飲んでいるママは必ずしも母乳を中止する必要はなく、また反対に母乳育児を続けるために必ずしも薬の服用を止める必要もありません。それぞれの薬について主治医と相談しながら決めていくことが大切です。

断乳にはデメリットも

母乳の栄養価は粉ミルクに比べて高いことがわかっています。母乳には免疫力を向上させ、感染症の予防や心身の発育の面で優れています。また、ママと赤ちゃんの絆を育むためにも、母乳をあげる時間はとても重要なものです。

また、断乳すると、ホルモンの働きにより母乳を再開するのが困難になることがあります。さらには乳腺炎などのトラブルに繋がる可能性も。

母乳を中止しながら薬の服用を継続したり、自己判断で服用を怠るなどの偏った対応は、必ずしも乳児のためになるとはいえません。

授乳中の薬の服用の注意点は?

注意点 薬

たとえ、授乳中に服用しても支障のない薬だとしても新生児・乳児期はデリケートな時期です。ママの薬の服用は慎重であるべきなのは変わりありません。ここでは、授乳中の薬の服用で知っておきたいことをご紹介します。

乳児の月齢に注意する

安全性の高い薬であっても、乳児の月齢によっては注意が必要です。特に生後1~2ヶ月くらいは肝臓や腎臓の機能が不十分であるため、薬を排出する機能が低いです。

そのため、副作用に対する影響を受けやすくなることがあります。場合によっては薬の成分が蓄積されてしまい、思わぬ症状を起こす危険性もあります。薬を処方してもらうときは、授乳中である旨を伝えると同時に、赤ちゃんの月齢も一緒に伝えましょう。

また、花粉症や便秘など長期間服用する可能性がある場合も市販薬を自己判断で買うのではなく医師や薬剤師の指導もとで使用してください。

薬を服用したら間隔を空けて授乳する

薬の成分は徐々に血液中や母乳に移行していきます。薬の種類にもよりますが、一般的に服用から2~3時間前後が最も薬の濃度が高くなります。服用直前に授乳をおこない、薬の服用から間隔を空けるとことでより影響が出にくくなるでしょう。

また、間隔をあけるのが難しいときは粉ミルクにして溜まった母乳を搾乳し、可能なときに授乳を再開するなど上手く粉ミルクを活用するのも良いでしょう。授乳すときに気になる場合は、母乳をあげる前に最初の母乳を搾乳し、捨ててから授乳をするとより安心です。

授乳中に避けるべき薬、飲める薬とは?

薬 種類

それでは、授乳中に避けるべき薬と服用可能な薬はどのようなものなのでしょうか。国立成育医療研究センターのデータ(※3)をもとに見ていきましょう。

授乳中に避けるべき薬

国立成育医療センターでは、科学的な情報をもとに、授乳中でも安全に使用することのできる薬を表にまとめています。
http://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/druglist.html

たくさんの薬が安全に使用できると評価されていますが、そんな中でも授乳中には適さない薬があるので注意しましょう。

アンカロン(抗不正脈薬)、コカイン(麻薬)、ヨードカプセル-123(放射性ヨウ素)、ヨウ化ナトリウムカプセル(放射性ヨウ素)は授乳中には適さない薬として分類されているので、授乳中に服用するのはやめましょう。

また、抗悪性腫瘍薬と免疫抑制剤についても情報が少なく、評価するのが難しいため安全な薬とは分類されていません。この国立成育医療センターの評価する薬の表に載っていない薬は、安全性が証明されているわけでもなく、かといって適さない薬と言うわけでもありません。

授乳中に飲める薬

それでは、授乳中でも安全に服用できる薬の中で、比較的に利用する機会が多いもの症状別にご紹介します。

●発熱・痛み

解熱・鎮痛薬ではアセトアミノフェンやイブプロフェンなどの成分が比較的安全とされています。これらの成分を含む市販薬では、「タイレノール」、「バファリンプレミアム」、「バファリンルナ」などがあります。

●アレルギー

花粉症やハウスダストなどのアレルギーに効く抗ヒスタミン薬では、フェキソフェナジンという成分が安全とされています。市販薬では花粉症の薬で有名な、「アレグラFX」が該当します。

●便秘

授乳中のママの水分不足で陥りやすい便秘ですが、便秘には硫酸マグネシウムという成分が安全です。一般的には、硫酸マグネシウムよりも緩やかに効果がある酸化マグネシウムが便秘薬に用いられています。市販品では「3Aマグネシア」や「スラーリア便秘薬」がこれにあたります。

●インフルエンザ

インフルエンザに感染した場合に出される「タミフル」も、授乳中でも安全に飲める薬とされています。

ドラッグストアで市販薬を買う場合の注意点

ドラッグストア 薬

授乳中に飲める薬をチェックして、ママにも乳児にも安全だとわかった場合でも、薬の飲み合わせによっては体に悪影響を及ぼす可能性もあります。必ず、授乳中であることを伝えた上で、ドラッグストアに常駐する薬剤師さんと相談して買い物するようにしましょう。

また、上記の安全性の高い薬の中に「バファリンプレミアム」や「バファリンルナ」を挙げました。しかし、同じ「バファリン」がつく薬の名前でも、「バファリンA」や「バファリンEX」では成分が違います。薬を選ぶ際には、薬の製品名で判断するのではなく、成分をチェックして選ぶようにしましょう。

授乳中の漢方薬は大丈夫?

漢方薬 授乳中

花粉症や便秘薬には、漢方薬を利用する方も多いでしょう。ですが、漢方薬だからといって、薬よりも安心できるというわけではありません。成分によっては安全なものもあれば、乳児にとっては良くない影響を与えるものもあります。

授乳中に漢方薬を飲む際も、医師や薬剤師に相談してから飲むようにしましょう。

授乳中でも正しい薬の服用でママの健康を大切に

ママ 赤ちゃん 元気

いかがでしたか?授乳中の薬の服用で一番大切なことは、その薬の安全性を確かめ、必要な時に必要な分だけ正しく服用することです。わからないことがあれば自己判断せずに、必ず医師に相談し処方された薬はきちんと服用しましょう。

薬の服用を我慢して、病気が悪化し育児ができなくなってしまっては意味がありません。ママの体調が安定することは赤ちゃんにとっても健康につながります。赤ちゃんだけでなくママの健康も大切にしていきましょうね。

※1 参考文献:ふたばクリニック 授乳中に飲める薬
※2 参考文献:国立育成医療研究センター 妊娠と薬情報センター:授乳とお薬について
※3 参考文献:国立育成医療研究センター 妊娠と薬情報センター:授乳中の薬の影響

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