育児休業給付金とは?条件・支給・申請・計算方法丸分かりガイド

赤ちゃんが1歳を迎えるまで、ママ・パパの育児と職場復帰を援助するための「育児休業給付金」制度。今回は、育児休業給付金の受給条件から支給について、申請方法、延長手続き、計算方法までを詳しくご紹介します。少し複雑な部分もありますが、妊娠中~産後も安心して育児に取り組むために、育児休業給付金の仕組みを把握しておきましょう。

育児休業給付金とは?

家族 育児

育児休業給付金とは、育児休業の取得促進とその後の円滑な職場復帰を援助する目的で雇用保険から給付される制度です。

原則、産後8週(58日)以降~赤ちゃんの1歳または1歳2ヶ月(パパママ育休プラス制度を利用する場合)の前日まで、基本給に各種手当などを含めた月給の50~67%が支給されますが、育児休業前の勤務日数や雇用保険の加入期間など、諸条件があります。

また、男性も育児休業給付金の受給対象となります。今後、出産・子育てを控えている夫婦にとって、知っておきたい制度のひとつです。

なお、育児休業中は事業主の申し出により社会保険料が免除になることも覚えておきましょう。

育児休業給付金の受給条件

チェック リスト

育児休業給付金を受給するには、細かな条件があります。ここでは、受給の条件や受給できないケースについて、細かくご紹介します(※1 ハローワーク、※2 厚生労働省HPを参考)。なお、受給資格の有無についてわからないことは、ハローワークで確認できるため相談してみてください。

1.育児休業開始前2年間に12ヶ月以上雇用保険に入っていること

育児休業の開始日より前2年間のうち、雇用保険に加入して稼働した月が12ヶ月以上あれば、育児休業給付金を受け取る資格が認められます。雇用保険に入っていれば、正社員だけでなく派遣社員、パートやアルバイトでも受け取ることが可能です。

ただし、当該期間中に第一子の育児休業や疫病等がある場合は、受給要件が緩和されることがあります。

2.育児休業中に(休業開始前の)賃金の8割以上の賃金が支給されていないこと

育児休業中の1ヶ月ごとに、育児休業開始前の1ヶ月あたりの賃金の8割以上を受け取っている場合は、受給対象外となります。

3.育児休業中の1ヶ月ごとに就業日数が10日(80時間)以下であること

育児休業中の働き方については、受け取る賃金の額だけでなく、働く日数(時間)にも注意しなければいけません。

具体的には、育児休業給付金の各支給単位期間(1ヶ月)ごとの就業日数が10日(10日を超える場合は就業時間が80時間)以下であることが受給の条件です。育児休業中に給付金を受給しつつ、仕事をしたいと考えている場合は注意が必要です。

育児休業給付金をもらえないケースとは?

NO できない

育児休業を取得せずに退職する場合

上記の受給条件に当てはまる場合でも、育児休業を取得せずに退職する場合は給付金を受給することはできません(妊婦さんの場合は別途手続きすることで、失業給付金の受給期間を延長できることがあります)。

育児休業中の退職を予定している場合

また、育児休業給付金は職場復帰を前提とした制度のため、休業取得開始時点で退職を予定している場合は給付金を受給することができません。育児休業中に退職したときは、その支給単位期間以降は支給対象となりません(ただし、それまでに受給した給付金を返金する必要はありません)。

自営業や個人事業主の人

育児休業給付金は基本的に雇用保険加入者を対象としているため、自営業や個人事業主、フリーランスなどで雇用保険未加入の場合は対象外となります。

育児休業中に第二子以降を妊娠した場合

育児休業後に職場に復帰して1年以上働いていれば、第二子や第三子を妊娠・出産した後も給付金を受け取ることができます。ただし、例えば第一子の育児休業中に第二子を妊娠した場合、第二子の産前休業開始前日に、第一子の育児休業が終了することになるため、給付金の支給もそれまでとなります。

育児休業給付金の支給について

お金

育児休業給付金の支給期間

育児休業給付金は、育児休業開始から赤ちゃんが1歳の誕生日を迎える前日まで受け取ることができます。

「パパママ育休プラス制度」を利用して、ママ・パパが同時もしくは期間をずらして育児休業を取得すると、赤ちゃんが1歳2ヶ月になる前日まで延長することが可能です(※延長については以下で詳しくご紹介します)。

ただし、赤ちゃんが1歳を迎えるまでに職場復帰をした場合は、復帰前日までとなります。

育児休業給付金の支給時期

育児休業給付金が初めて支給されるのは申請後1週間~10日後です。その後は、2ヶ月おきに分割支給されます。具体的な支給日は、申請日とハローワークに書類を受理したタイミングによって変わります。

ママ・パパの育児休業給付金の支給時期の違い

妊娠・出産のあるママの場合は、産前産後休業を取得することができるため、産後8週(58日)以降に育児休業に入ります。そのため、給付金の初回の支給があるのは、出産から3~4ヶ月後が目安となります。

一方でパパが育児休業給付金を受ける場合、赤ちゃんの出産直後から育児休業を開始できるため、平均2ヶ月後に初めて支給されます。

育児休業給付金はどのような場合に延長できる?

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以下のいずれかのケースに該当する場合には、赤ちゃんが1歳の誕生日を迎えた後も、1歳6ヶ月に達する前日まで、育児休業給付金の支給対象となります。

保育園に入れない場合

保育園に希望しているかつ申し込みをしているにもかかわらず、赤ちゃんの1歳の誕生日後も当面、保育園に入れない場合に延長することが可能です。

配偶者に特別な事情が発生した場合

赤ちゃんが1歳の誕生日後、配偶者が死亡したとき、または病気やケアなどで育児が困難な状態となったとき、6週間以内に出産する予定、産後8週間を経過しないとき、離婚や別居したときなど、特別な事情が発生した場合に延長することが可能です。

育児休業給付金の申請方法

書類 申請

育児休業給付金は、一般的に被保険者本人ではなく、事業主(勤務先の企業)が請け負い、申請をおこなう必要があります。もしも自分で申請を希望する場合は、本人が申請手続きすることも可能です。その場合は、ハローワークにて具体的な手続き方法について相談してください。

具体的な申請の流れを見てみましょう。

1.勤務先の担当者に報告する

産前産後休業に入る前に、まずは勤務先の担当者に「育児休業給付金を受け取りたい」旨を報告し、その後の必要手続きやスケジュールについて指示を仰ぎましょう。

2.申請手続きに必要なものを揃えておく

手続きをスムーズに進めるために、あらかじめ次の準備をしておきましょう。産前産後は何かと慌ただしくなるので、時間を見つけて揃えておくとよいですよ。

  • マイナンバーのコピー
  • 住民票のコピー
  • 受取口座の通帳コピー
  • 母子手帳

3.勤務先に必要書類を提出する

勤務先では、被保険者が育児休業を開始した後、被保険者が提出する以下書類と合わせて、賃金台帳や出勤簿等の必要添付書類を各窓口へ提出します。

●育児休業給付金にかかわる書類

申請手続きには、育児休業給付金の受給資格を確認するために必要な「育児休業受給資格確認書」と、実際に受給するために必要な項目を記載した「育児休業給付金支給申請書」が必要です。どちらも勤務先の企業が用意してくれることが大半なので、必要事項を記入・捺印して担当者に提出しましょう。

●社会保険料免除にかかわる書類

育児休業中は社会保険料の免除を受けることが可能です。勤務先の健康保険組合または管轄の年金事務所に「育児休業取得申請書」を提出する必要があります。

4.2回目以降の支給申請

上記初回手続きの後も、2ヶ月に一度は勤務先を通じて申請手続きをする必要があります。指定された期間に、2回目以降の支給申請手続きでは、郵送される「支給決定通知書」と「次回申請書」を指定された期間に返送します。

5.延長についての申請

支給対象期間を延長する場合は、「育児休業延長申込書」を勤務先に提出します。その際、「入所保留の通知書」など保育園に入れないことがわかる書類や、配偶者の状態にまつわる診断書等の添付を求められることがあります。担当者に必要書類について指示を仰ぎ、申請手続きを進めましょう。

育児休業給付金の計算方法

計算

育児休業給付金にまつわる気になるポイントといえば、「実際にいくらもらえるの?」という点でしょう。給付金額は育児休業に入るまでの給与額によって変わります。

また、育児休業開始から6ヶ月までとそれ以降では金額が変わるため注意が必要です。具体的な計算方法について、順を追って詳しく見ていきましょう(※実際には給与の支給額などにより誤差が生じます)。

1.基本となる「育児休業開始前の賃金月給」を算出

まずは、給付金を調べるうえで基本となる、育児休業開始前の賃金月給を確認します。月によって金額が違う場合でも「6ヶ月分の給料の総額÷180」で基本の賃金月給を計算します。パートやアルバイトの場合は、1ヶ月に11日以上働いた月の金額を参考にしてください。

また、「育児休業開始前の賃金月給」には、上限と下限があります。上限額は賃金によって異なりますが、下限額は毎年8月1日に改定され統一されます。2017年7月現在、下限は6万9,000円とされています。

2.育児休業開始から180日までの計算方法

「育児休業開始前の賃金月給×67%」が、育児休業開始~180日までの月々の支給額です。例えば基本の賃金月給が20万円の場合は、1支給単位期間の給付額は134,000円となります。

3.育児休業開始から180日以降の計算方法

育児休業開始から6ヶ月が経過すると、1支給単位期間の給付額は「基本の賃金月給×50%」の計算方法に変わります。例えば基本の賃金月給が20万円の場合、6ヶ月以降は1支給単位期間の給付額は10万円となります。

育児休業給付金を活用して子育てのサポートを受けよう

家族

楽しいこともつらいことも両方抱えることになるのが育児。中でも、お金にまつわる不安や心配ごとがあると、精神的にもつらいですよね。勤務を続けることができなくても、金銭面のサポートをしてくれる育児休業給付金は、ママ・パパにとって助かる制度のひとつです。

わからないことは、勤務先の担当者やハローワークなどに問い合わせをするようにし、疑問点をクリアにしながら正しくサポートを受けられるようにしましょう。

※1 参考文献:ハローワークインターネットサービス 雇用継続給付
※2 参考文献:厚生労働省 Q&A~育児休業給付~

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