タバコが赤ちゃんに与える悪影響とは?受動喫煙・誤飲のリスク

赤ちゃんがいる家庭でも、家族でタバコを吸っている人はいませんか?タバコは赤ちゃんにとって悪影響を与えるといわれますが、具体的にどのようなリスクがあるか把握している人は意外と少ないかもしれません。今回は、タバコの受動喫煙が赤ちゃんに与える悪影響についてや、赤ちゃんがタバコを誤飲してしまったときの症状、さらに妊娠中・授乳中のママが喫煙することで生じるリスクについてもまとめました。

赤ちゃんの近くでタバコを吸うと起こる「受動喫煙」とは?

受動喫煙 タバコ

タバコの煙には、タバコを吸うときに喫煙者が吸い込む「主流煙」、点火部分から出る「副流煙」、喫煙者が吐き出す「呼出煙(こしゅつえん)」があります。喫煙者の周囲にいる人が副流煙や呼出煙を吸い込むことが「受動喫煙」です。

赤ちゃんのいる部屋で家族がタバコを吸っていると、この「受動喫煙」により、赤ちゃんもタバコに含まれる有害物質を吸い込んでしまいます。

副流煙は主流煙よりも有害成分が多い

フィルターを通して肺の中に吸い込まれる主流煙に比べて、副流煙はフィルターを通されておらず、有害物質が多いことがわかっています。また、主流煙はPH6前後の酸性ですが、副流煙はPH9前後でアルカリ性に傾いているので、粘膜にとって刺激が強いのです。

4000種類の化学物質、200種類の有害物質、60種類が赤ちゃんの体内に

「厚生労働省 e-ヘルスネット」によると(※1)、タバコの煙には約4000種類の化学物質、約200種類の有害物質、60種類以上の発がん物質が含まれています。また、主流煙にだけではなく、喫煙者が吐き出す煙にもガス成分の一酸化炭素、微粒子分にあたるニコチンとタールといった有害物質が含まれます。

赤ちゃんがタバコを受動喫煙することで起こる影響とは?

赤ちゃん 悪影響 涙

受動喫煙は古くから、実に様々な健康被害が示唆されていますが、赤ちゃんや子供は体の機能がまだまだ未熟なので、タバコによる影響は大人以上に深刻です。タバコの受動喫煙によって赤ちゃんや子供に起こりうる疾患は次のとおりです。

  • 乳幼児突然死症候群(SIDS)
  • 呼吸器症状(せき、たんなど)
  • 肺の発達の遅れ
  • 急性呼吸器感染症
  • 喘息
  • 気管支炎
  • 肺炎
  • 中耳炎
  • アトピー性皮膚炎
  • 知能の低下

タバコの誤飲、やけどの危険性も

受動喫煙による上記のような健康被害のほか、赤ちゃんの周囲でタバコを吸うことによって、吸い殻・タバコの誤飲事故や、歩きタバコ・育児中にのくわえタバコによるやけどの危険も実際に起こり得ます。

実際に、厚生労働省による平成27年度「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」において(※2)、小児の誤飲事故ののべ報告件数として、タバコが1位になっています。国民生活センターでは(※3)、タバコに含むニコチンは猛毒であり、食べてしまうと中毒を起こし、ときに死に至る可能性を指摘。タバコを誤飲した場合は、何も飲ませずに直ちに医療機関を受診するよう呼びかけています。

赤ちゃんがいる部屋以外でならタバコを吸ってもよい?

タバコ 喫煙 女性

赤ちゃんの受動喫煙による健康被害を免れるために、「他の部屋や屋外でタバコを吸えばよい―」。確かに、最低限守りたいルールではありますが、実は赤ちゃんに密に接する家族の喫煙は別の場所であっても極力避けた方がよいとされています。

喫煙後しばらくは、喫煙者の肺の中にタバコの成分が濃く残っており、吐き出す呼出煙が赤ちゃんに少なからず悪影響を及ぼす可能性があるためです。また、受動喫煙だけでなく、衣類や髪についたタバコの臭いは、赤ちゃんにとって気持ちよいものではなく刺激になり得ます。

赤ちゃんや小さな子供がいる家庭では、家族に禁煙をしてもらうことをおすすめします。次に、以下では妊娠中・授乳中のママ自身がタバコを吸うことによる赤ちゃんへの影響についてご紹介します。

妊娠中のタバコの赤ちゃんへの影響

妊娠中 タバコ 影響

赤ちゃんが生まれてからタバコに気を遣うのはもちろん必要ですが、妊娠中にも妊婦さんがタバコを吸ったり、周囲の喫煙で受動喫煙をすることで、お腹の赤ちゃんへの影響が生じます。厚生労働省の「たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう」によると(※4)、具体的に次のような悪影響が危険視されています。

1.ニコチンの影響で血管が収縮

ニコチンには妊婦さんの血管を収縮させ、血流を悪化させる作用があります。その結果、子宮や胎盤に運ばれる血液も自然と少なくなってしまいます。通常、妊娠中はたくさんの血液を必要としますが、喫煙によってニコチンを体内に入れてしまうことで、赤ちゃんに必要な血液が運ばれなくなる恐れがあります。

2.一酸化炭素が酸素の運搬を阻害

タバコの煙に含まれる一酸化炭素には、血液の酸素を運ぶ能力を低下させる作用があります。喫煙により、血液の中に含まれる酸素が母体の体内の各組織に正常に運ばれなくなり、赤ちゃんは低酸素状態に陥ってしまう可能性があります。

3.低体重児のリスク

1や2の結果として、赤ちゃんの低体重化が心配されます。赤ちゃんが無事に生まれた場合でも、喫煙者の妊婦の赤ちゃんは、非喫煙者の妊婦の赤ちゃんに比べ、平均して200グラム体重が少ないといわれています。赤ちゃんが低体重で生まれるリスクが2倍とされているのです。

4.流産のリスクが高まる

妊娠中の喫煙や受動喫煙により、正常に妊娠が継続できない確率は確実に高まります。自然流産の発生率は約2倍。早産率は約1.5倍という研究結果が出ています。また、周産期死亡率(妊娠22週以降、生後1週間までの赤ちゃんの死亡率)はおおよそ1.4倍といわれています。

授乳中のタバコの赤ちゃんへの影響

授乳 赤ちゃん

授乳中のママがタバコを吸うことで、母乳育児に弊害が出たり、赤ちゃんに健康被害が出る可能性があります。

1.母乳の量が減る

1日4本以上喫煙しているママの母乳量について調査すると、非喫煙者のママに比べて、おおよそ10~20%量が少ないことがわかっています。母乳の量が少ないことは、赤ちゃんにとってはなかなかお腹がいっぱいにならず、ママにとっても長時間おっぱいを吸われることで痛みや傷につながるのでとても辛いことです。

母乳の量が減ってしまうことは、喫煙によって母乳の分泌をもたらす、プロラクチンというホルモンの分泌量が減ることと関連があると考えられます。

2.赤ちゃんの嘔吐・下痢

1日20本も喫煙をすれば、母乳の中にニコチンがかなり濃く出るようになります。そして、このような母乳を与えられている赤ちゃんは、そうでない赤ちゃんに比べて嘔吐や下痢の回数が多く、この他にも落ち着きがなかったり、脈拍が多かったりといった症状も実際に見られているようです。

タバコが与える赤ちゃんへの影響は大きい

赤ちゃん ママ タバコ

タバコに含まれるニコチンやエタノールなどの有害物質は赤ちゃんの健康や発育に大きく影響します。妊娠中や授乳中のママ自身の喫煙はもちろんのこと、副流煙や呼出煙の受動喫煙による被害を防ぐために、家族にも十分配慮してもらうように呼びかけましょう。

また、赤ちゃんがタバコを誤飲してしまうと最悪のケース死に至るなど、取り返しのつかない事故に繋がってしまう危険があります。

タバコは、禁煙することでその影響を抑えることができるもの。「もう吸ってしまったから今さら禁煙しても…」などと考えずに、自分や家族が妊娠したら、1日でも早く禁煙をすることが家族全員の健康に繋がると心得ましょう。

※1 参考文献:厚生労働省 e-ヘルスネット | 受動喫煙 他人の喫煙の影響
※2 参考文献:厚生労働省 平成27年度「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」
※3 参考文献:国民生活センター タバコの誤飲 子どもの手の届くところに置かないで!(見守り情報)
※4 参考文献:厚生労働省 たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう

関連キーワード

シェリールママをフォローして
最新情報を受け取ろう

Twitter