授乳中のアルコールが与える母乳や赤ちゃんへの影響とは

妊娠中に我慢していたアルコール、「産後はやっと解禁!」という訳にはいきません。授乳中も同じようにアルコールの摂取について気を付けなければいけません。「一口くらい…」と思っているお酒好きのママもいるかもしれませんね。そこで今回は、アルコール接種後の授乳による母乳や赤ちゃんへの影響、間隔は何時間置いた方がよいのかなど、気になる疑問についてまとめました。

授乳中のアルコールはどんな影響があるの?

授乳 赤ちゃん

アルコールの2%前後が母乳に移行する

母乳は赤ちゃんの生命維持に欠かせない大切な栄養源。そんな母乳は乳腺で血液をもとにつくられています。

厚生労働省の「たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう」によると、ママがアルコールを飲んだ後、30~60分後に血液中の濃度が最大になるといわれており、母体血中濃度の90~95%が母乳に検出され、飲酒量の平均2.0±0.2%が乳児に移行するとされています(※1)。

たった2%前後とはいっても、赤ちゃんの体重がママよりも10分の1以下であることを考えると、少ない量とはいえません。

アルコール中毒、成長抑制のリスク

また、大人は体内のアルコールを肝臓で分解することができますが、赤ちゃんは肝臓が未発達。アルコールをうまく分解できず、体内に多量のアルコールが残されてしまいます。

母乳中へアルコールが移行することによって、アルコール中毒に似た症状を起こす、睡眠時間が短くなる、肥満児になるリスクの上昇など、乳児に与える影響は多くの報告があります。

赤ちゃんの健康を考えると、妊娠中に限らず授乳中のアルコール摂取も十分に注意が必要といえます。

母乳分泌量の減少

授乳中のアルコール摂取はママ自身の身体にも影響を与えます。

アルコールの深酒・常飲をすると、母乳の生成をつかさどるホルモン「プロラクチン」の分泌量を軽減させると共に、母乳の出をよくする「オキシトシン」の分泌が妨げられることに。

授乳に必要な母乳の出が悪くなってしまう可能性があり、その結果として赤ちゃんの成長が抑制されたという報告があります(※1)。

アルコールを摂取したら授乳の間隔は何時間置くべき?

時計 時間

アルコールが消失する時間を計算する

アルコール摂取したとき授乳までに空けるべき間隔には、体重、肝臓の大きさ、筋肉量などにより個人差があります。

体内からアルコールが消えるとされる平均値は、女性の場合1時間に6.5g程度といわれており、ビール500ml(アルコール量20g)が分解されるのに、およそ3時間程度だと考えられます。順天堂大学医学部付属静岡病院のサイトには、50kgの女性が1日375mlのビールを1缶飲んだ場合、授乳まで最低2時間空けるようにと記載されています(※3)。

アルコール量(濃度)と時間はおよそ正比例関係にあるため、アルコール量から時間を算出することができます。

アルコール飲料の量(ml)×アルコール度数(%)×0.8(※2)

酔いがさめていても授乳はNG

飲酒後でも酔いがさめていれば、すぐに授乳をしても大丈夫だろう、と考えるママがいます。

しかし、アルコールは飲食してから30~60分後に血液中の濃度が最大になるといわれており、酔いがさめたとしてもアルコールはまだ血液内に残存しています。体内からアルコールが完全に抜けるには時間がかかります。

もともとお酒が強くすぐに酔いからさめる人であっても、授乳するタイミングは飲酒から間隔を置かなくてはいけないことがわかります。

飲み過ぎてしまったときは1日置くのが理想的

久々の飲み会などでお酒を飲み過ぎてしまい、飲酒量やアルコール度数がわからないときは、意識的に授乳までの間隔を多めに空ける必要があります。

一般的には、授乳再開は10時間以上間隔を空けるのが望ましいとされていますが、理想をいうと1日。よほどの深酒でない限り、1日経過すればアルコールが血液中に残存しているとは考えにくいそうです。

ただし、前述のとおりアルコールの分解には個人差があるため、そもそも授乳中は飲み過ぎないように気を付けましょう。

授乳中のアルコールとの付き合い方

注意

授乳中のアルコールはできれば控えたいところですが、仕事での接待やストレス解消に「一口ぐらいなら」とお酒を口にすることもあるかもしれません。授乳中の飲酒時には、最低限、次のことに注意をするようにしましょう。

飲酒は授乳頻度が減少してから

授乳回数が頻回な新生児から離乳食が開始するまでは、リスクを回避するためにもお酒が我慢してください。授乳間隔が4時間以上空けられる生後5~6ヶ月くらいになれば、アルコールを摂取しても授乳の間隔を空けられるので安心です。

アルコールと同量の水を飲む

アルコールを摂取するとき、水を多めに飲むように心掛けてください。水分を同時に摂ることでアルコールの血中濃度を低めに抑えることができます。

少量のお酒入りのお菓子は食べても大丈夫

洋酒など、お菓子やケーキの風味づけにアルコールが含まれていることがあります。一般的に、お菓子に含まれている程度のアルコールの量であれば、過度に気にしなくてもよいとされています。

ただし、「お子様は控えてください」など注意書きがあるようなお菓子はアルコール度数が強い可能性があるので、控えた方がよいでしょう。

ノンアルコール飲料、栄養ドリンクにも要注意

ノンアルコール飲料には実はごく少量のアルコールが含まれている可能性があります。ただし、1%未満の大変低い濃度のため影響は大きくないと考えられていますが、できるだけ避けた方が安心でしょう。

また、栄養ドリンクにもアルコールを含んでいるものがあるため、注意が必要です。「授乳中にも飲める」と記載があるものを選ぶとよいですね。

授乳中のアルコール、基本は我慢。飲みたいときは一口程度に抑えよう

アルコール ビール

授乳中のアルコールの影響を考えると、我慢ができるのであれば禁酒するのが一番でしょう。授乳中のアルコール摂取が、かわいい赤ちゃんにリスクを伴うことであるならば、禁酒もつらくないかもしれません。

ただ、ストレスが溜まりママ自身にかえって悪影響をもたらす場合は、タイミングを見計らい、一口程度にとどめるようにしてください。

授乳期間は、長い育児生活を考えるとそう長い期間ではありません。「あのときアルコールを我慢していなければ…」と後悔することのないように、授乳期間を大切に過ごしてくださいね。

※1 参考文献:厚生労働省 たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう
※2 参考文献:厚生労働科学研究 冊子 正しいお酒との付き合い方
※3 参考文献:順天堂大学医学部附属静岡病院「アルコールと母乳育児について」

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