新生児落屑とは?いつからいつまで続く?皮がむけたらローションで保湿ケアを
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新生児落屑とは?
「新生児落屑(しんせいじらくせつ)」は、初めて耳にしたという人が多いかもしれません。
新生児落屑とは、新生児の顔や頭皮を中心に、全身の薄い皮膚がポロポロとはがれ落ちてむけてしまう現象です。皮膚がむけるとカサカサに乾燥してしまうので、初めて見ると驚いてしまうママもいますが、特別な病気ではありません。
ただ、すべての赤ちゃんに新生児落屑が起こる訳ではありません。どちらかというと、新生児落屑が起こらない赤ちゃんの方が多いようです。
気になることがあれば、入院中に医師や助産師に聞いておくと安心です。
新生児落屑の原因は?
赤ちゃんはママの胎内にいるとき、「胎脂」という白いロウ状の油分の膜に包まれて保護されています。
また、生まれる瞬間も全身に胎脂がついたまま生まれてきます(胎脂の量は個人差があります)。胎脂は生まれた後も、赤ちゃんの皮膚の潤いを保ち、外気から保護する役割を担っています。
しかし、出生から数日経つと、胎脂が徐々に乾いてきて皮膚がむける現象が起こります。これが新生児落屑です。
赤ちゃんを保護する油膜がなくなるため、新生児落屑が起こった後は、顔や頭皮、全身がカサカサに乾燥しがちになってしまうのです。
新生児落屑はいつからいつまで起こるもの?
新生児落屑が起こる時期は、個人差はあります。一般的には、生後1週間前後から生後1ヶ月の間に起こるといわれています。
生後1ヶ月以降に起こる、湿疹やニキビ、カサカサといった肌荒れ症状は、新生児落屑ではなく、乳児期特有の「乳児湿疹」である可能性が高いでしょう。
新生児落屑と間違えやすい乳児脂漏性湿疹
新生児落屑と間違えやすい症状に、「乳児脂漏性湿疹」というものがあります。新生児~生後2・3ヶ月頃までの赤ちゃんに起こります。
全身に症状が出るものではなく、赤ちゃんの首から上(おでこや頭皮など)に、うろこのような皮脂の黄色い塊ができる症状です。皮脂が固まっている状態なので、特有の匂いがすることがあります。
新生児落屑と同様に特別な病気ではないため、基本的には経過を見守ることで対処しましょう。
清潔にすることと、保湿ケアを心掛けていれば、症状は徐々に改善されます。黄色い塊を無理やり剥がしたりしないように注意してください。
新生児落屑の皮は無理やり剥がさないで
新生児落屑が起こると、赤ちゃんの顔や頭皮、全身の皮膚が少しずつカサカサとむけてきます。ついついペリペリと剥がしたくなってしまいますが、無理やり皮を剥がすのはよくありません。
新生児落屑では毎日少しずつ皮が剥がれていきます。沐浴やお風呂の際にやさしく撫で洗いしてあげながら、いずれきれいになるのを待ちましょう。
無理に剥がしてしまうと、赤みや湿疹の原因に。傷口から菌が炎症してしまうこともあります。傷ついたり赤みが長引くようであれば、1ヶ月健診までは病産院に、その後は小児科に相談しましょう。
新生児落屑が起きたら保湿ケアをしよう
新生児落屑は経過を見ていればそのうちきれいになるので、基本的には特別な対処は必要ありません。一方で、胎脂がなくなると肌はカサカサに乾燥してしまうので、ベビーローションやベビークリームなどによる保湿ケアが効果的です。
赤ちゃんの肌はまだまだ未熟で、皮膚が薄いために保水力がなく、外部刺激から守るためのバリア機能も備わっていません。保湿ケアが十分でないと、乳児湿疹、またアトピー性皮膚炎に繋がってしまう可能性もあります。
特にお風呂上がりは水分が蒸発しやすいため、ベビーローションなど伸びのよい赤ちゃん専用の保湿剤でケアしてあげましょう。
新生児落屑は赤ちゃんの身体が外部環境に慣れるためのステップ
生後1週間前後~生後1ヶ月頃の間に、新生児の薄い皮膚がむけるのが新生児落屑の特徴です。赤ちゃんによって起こったり起こらなかったりと、個人差はあるものの、特別な病気ではありません。
新生児落屑は、ママの羊水の中で胎脂に守られていた赤ちゃんの身体が、外の環境に慣れるための大切な成長のためのステップだといえます。一生懸命この世界に順応しようと頑張っているかと思うと、赤ちゃんがいとおしくなりませんか?
新生児落屑で皮がむけたら、無理やり剥がすようなことはせずに、保湿ケアをしながら経過を見守りましょう。それでも、皮膚に赤みが出たりしたら、小児科や皮膚科に相談してみてくださいね。