産後ダイエットの食事のメニューとレシピ。過度なカロリー制限に注意
産後ダイエットの食事は過度なカロリー制限に要注意
「ダイエット中の食事」といえば思い浮かぶのは食事量やカロリーの制限ですが、産後ダイエットにおいては注意したい点があります。
母乳育児中はプラス350キロカロリーが必要
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」によると、女性の推定エネルギー必要量は授乳婦の場合、通常時よりもプラス350キロカロリー/日としています(※1)。
推定エネルギー必要量(キロカロリー/日)
身体活動レベル | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | |
18~29(歳) | 1,650 | 1,950 | 2,200 | |
30~49(歳) | 1,750 | 2,000 | 2,300 | |
授乳婦 | +350 | +350 | +350 |
※身体活動レベルは低い(Ⅰ)、ふつう(Ⅱ)、高い(Ⅲで)分けられている。
これは母乳をつくるためにも必要なエネルギー量であり、過度に食事量・カロリーを制限することで、母乳の出や質に影響を与える可能性があります。
栄養が不十分だと体、肌、髪がボロボロに
産後はただでさえ、ホルモンバランスの変化や育児疲れ、睡眠不足などにより、免疫力が低下したり肌荒れ、抜け毛などの症状が出がちです。
そのうえ、産後ダイエットで食事量・カロリー制限をすると、たんぱく質やアミノ酸、ビタミン、ミネラルといった産後ママの体に大切な栄養を十分に摂取できない可能性があります。これらの栄養が不足すると、たとえダイエットが成功するとしても、体や肌、髪、精神面までもがボロボロになってしまうかもしれません。
産後ダイエットは食事量・カロリーを過度に制限をするのではなく、メニューやレシピを工夫をしながら、栄養バランスを考慮した食事を心掛けることが大切です。
産後ダイエットの食事におすすめのメニューは?
産後ダイエットは、食事量・カロリーを制限するよりも、栄養バランスを考えたメニューを組み立てることが大切です。少しの工夫で普段の食事がヘルシーダイエットメニューになるので、産後の忙しい時期でも積極的に取り入れましょう。
ヘルシー食材を使ったメニュー
- 白米よりも玄米や麦飯
- パスタよりもうどん
- 牛肉・豚肉はロースよりも赤身肉
- 鶏肉はもも肉よりもささみ
- ケーキよりもサツマイモやトウモロコシなどの甘い野菜
- オイルドレッシングよりもノンオイルドレッシングやポン酢
- ジュースよりもお茶
- おやつはプチトマトやナッツ類
茹でる・蒸すメニュー
ダイエットの大敵といえば「油」。食事を調理するときには、油をたくさん使う「揚げる」「炒める」メニューではなく、「茹でる」「蒸す」メニューがおすすめです。食材は同じでも、調理法を変えるだけで簡単にダイエットメニューにできます。
塩分控えめメニュー
塩辛い食べ物や味の濃いメニューが好きな人も多いでしょう。塩分の摂りすぎは産後むくみの原因になったり、脂肪燃焼を阻害してダイエットを妨げる可能性があります。
みそや減塩のしょうゆを使ったり、だし汁を活用したメニューがおすすめ。だし汁は顆粒のタイプを使うのではなく、かつお節、昆布、干し椎茸、煮干しなどの天然素材から濃いめにだしを取ると、おいしく食べられますよ。スパイスやハーブをプラスすれば、減塩レシピでも食事の物足りなさを補ってくれます。
また、ふりかけや梅干し、佃煮、お漬物には塩がたっぷり使われているので、産後ダイエット中は控えた方がよいですね。
野菜のカサ増しメニュー
もやしやキャベツなどの野菜をいつものメニューにプラスしてカサ増しすれば、より満腹感が得られます。ただし、生野菜のサラダは冷えのもとなので、できるだけ蒸したりスープにしたりするのがおすすめです。カサ増し食材としては、お豆腐もぴったり。
なお食事の際は、まず野菜からたくさん食べるようにすると、お腹がいっぱいになりやすいですよ。
産後ダイエットにおすすめの食事レシピ
産後ダイエットにおすすめの食事レシピをご紹介します。産後は育児で忙しいので、簡単に作れて保存が効くことも大切なポイントですよね。
もやしでカサ増しささみの棒棒鶏レシピ
もやしときゅうりでカサ増しできるので、満腹感が得られます。油も使わないのでダイエットにおすすめ。
●材料(2~3人分)
- 鶏のささみ・・・2本
- きゅうり・・・1本
- もやし・・・1/2袋
- 塩・・・少々
- 酒・・・小さじ1/2
- ごまドレッシング・・・適量
●作り方
1.きゅうりに塩をふって板ずりしさっと洗い、斜めに薄切りしてから細切りします。
2.もやしはさっと茹でてお湯を切ったら冷まします。
3.鶏のささみは筋を取り除き耐熱皿に入れて、塩と酒を少々ふりかけ、ラップをして電子レンジに5分程度かけます。その後、粗熱が取れたらささみを細くさきます。
3.皿に茹でたもやし、きゅうり、鶏ささみの順に盛り付けます。ごまドレッシングをかけて完成です。
保存OK!栄養たっぷり炊き込みおにぎりレシピ
枝豆には葉酸が、ひじきとしらす干しにはカルシウムが含まれているので、ダイエットしながら産後ママに必要な栄養を摂ることができます。
●材料
- 玄米(白米)・・・2合
- だし汁・・・2カップ
- 乾燥ひじき・・・大さじ1.5
- 枝豆・・・25g
- しらす干し・・・15g
- 白ごま・・・小さじ2
- しょうゆ・・・小さじ1
- 酒・・・小さじ2
●作り方
1.お米を炊くときに、乾燥ひじきと枝豆、しょうゆ、酒を入れて一緒に炊きます。水ではなく「だし汁」を使うことで、塩分を抑えることができます。
2.炊き上がったら白ごまとしらす干しを加えて、小さめサイズのおにぎりにしてラップで包みます。
3.冷凍保存しておけば、小腹が減ったときに温めて手軽に食べられますよ。
産後ダイエットの食事方法のコツ
産後ダイエットには食事の内容はもちろん大事ですが、食べ方を工夫することもコツですよ。
しっかり噛んでゆっくり食べる
産後ダイエットで取り入れてほしい習慣がよく噛むこと。一口あたり20回以上噛むとよいでしょう。噛むことで満腹中枢が刺激され、少量の食事でも満腹感を感じることができます。また、よく噛むことは食事のスピードが遅くなるため、胃への負担を軽減することも可能です。
産後は赤ちゃんのお世話で忙しくゆっくり食事の時間を確保することが難しいですが、家族に協力してもらいながら、よく噛むことを意識してみてください。
食事の回数を増やす
産後ダイエットは、1日に4~5回に分けてこわけに食事を摂る方法もおすすめ。1回の食事の量が減るので、胃や腸への負担が減り、空腹状態にもなりづらくなります。
1日3食食べるときと同じように、できるだけ毎日同じタイミングで食事を摂るリズムをつくりましょう。ダイエットには、特に夜の食事の量を少な目にして、早い時間に済ませるのもコツです。
産後ダイエットの食事は栄養バランスが大事
妊娠中に増えてしまった体重やたるんだお腹・・・ダイエットで1日も早く戻したいですよね。ただし、産後ダイエットに食事量・カロリーを極端に減らすのはよくありません。出産で疲れた産後ママ自身の体のためにも、質のよい母乳で赤ちゃんに栄養を届けるためにも、無理なダイエットは禁物。
大切なのは量より食事の内容。できるだけ脂肪や塩分、糖分を控えることを意識して、野菜、海藻、大豆などでビタミン、ミネラル、たんぱく質をたっぷり摂りましょう。
また、産後ダイエットには食事だけではなく、骨盤矯正や適度な運動も効果的です。産後はついつい家にこもりがちになってしまいますが、赤ちゃんと一緒に散歩するなど、積極的に体を動かすようにしてくださいね。
※1 参考文献:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要