妊娠初期の異常な眠気はいつからいつまで?仕事中にできる対策法!【医師監修】
妊娠すると眠気はいつから感じるの?
妊娠がわかる前から眠気を感じる人も
「妊娠中はいつから眠かった?」と聞かれると、「そういえば、妊娠が発覚する前から眠気がひどかったかもしれない」と答える妊婦さんが多いようです。
一般的に、妊娠が判明するのは、月経予定日を過ぎた妊娠4~5週目以降。受精卵が着床してもすぐに自覚症状を感じることはほとんどありませんが、妊娠すると基礎体温が下がらず高温期が続くことで、眠気やだるさを感じる人もいます。
日頃感じることのない眠気に、「もしかして妊娠しているかも?」と妊娠を知るきっかけになる人もいるようです。
妊娠中の眠気はいつまで?
強い眠気は一般的に妊娠初期まで
妊娠中のつらい眠気はいつまで続くのか、気になるところですよね。一般的に、強い眠気は妊娠初期症状のひとつで、妊娠中期(妊娠16週)以降は落ち着いてくるといわれています。
安定期に入るまでがひとつの目安になりますが、一方で、妊娠中はずっと眠気やだるさを感じる妊婦さんもいるなど、個人差があります。
妊娠初期の眠気の原因は?
黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量の増加
妊娠初期の眠気の原因は詳細にわかっていないこともありますが、主に妊娠すると急激に増える黄体ホルモン(プロゲステロン)が背景にあります。プロゲステロンは妊娠を維持したり、乳腺を発達させて授乳に備えるなどの役割がある反面、同時に眠気を引き起こす作用があるといわれています。
なお、生理前に同様の眠気を感じやすいのも、このプロゲステロンの分泌が関係していると考えられます。
自律神経の変化によるつわりの一種
妊娠初期はホルモンバランスが大きく変化することで、自律神経が不安定になりやすいです。自律神経、つまり交感神経と副交感神経のバランスがうまく取れなくなることによって、昼間でも眠いという状況が起こってしまいます。
眠気がひどい状態を、「寝づわり」や「眠りつわり」などと表現されることもあるようです。
妊娠初期の眠気の対策法
妊娠初期の眠気は仕方のないことなので、確実な対策法はありません。職場でウトウト…といった心配があるようでしたら、同僚や上司の方にひとこと伝えておくのも方法です。
また、次のような、少しでも眠気をやわらげる方法を試してみてくださいね。
飲み物で気分転換をする
眠気覚ましの定番といえば、コーヒー飲料や栄養ドリンクですが、妊娠中のカフェインはできるだけ控えたいので、ノンカフェインのハーブティーや白湯などを飲んで気分転換をしてみてはいかがでしょうか。
冷たい飲み物の方がすっきりしそうですが、できるだけ身体を冷やさないように、常温またはあたたかい飲み物がおすすめです。
なお、キシリトールのガムやタブレットは、1日数粒の通常量であれば問題ありませんが、摂り過ぎると下痢を起こすことがあり、下痢に伴い子宮収縮を起こす可能性もあります。過剰に摂り過ぎることはやめましょう。
軽い運動やストレッチをする
お仕事中に眠気を感じてしまったら、首を回したり、立ち上がって体を伸ばすなど簡単なストレッチをしてみましょう。トイレへ行って一度気分を切り替えるのもよいですね。
短時間お昼寝をする
妊娠初期の眠気やだるさは、無理をせずに体を休めるのが一番。もし眠れる状況であれば少し仮眠をするとよいでしょう。
ただし、お昼寝は長すぎると余計に疲れを感じたり、生活リズムが崩れる原因にも繋がります。15~20分を目安に、短時間の昼寝であればすっきりリフレッシュできますよ。寝過ごさないように携帯のアラームをかけておくと安心です。
妊娠初期の眠気は正常反応です
妊娠初期の眠気は異常なほどに感じられることも多いものですが、多くの妊婦さんが経験する正常な反応です。
原因はホルモン分泌などが考えられていますが、身体からの「休みたい」というサインかもしれません。眠いときやだるいときは無理をせずに休むことも大切ですよ。
特に家族には心配されることがあるかもしれませんので、妊娠初期症状のひとつであることを伝えておくとよいでしょう。
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