【医師監修】葉酸サプリはいつ飲むと効果的?吸収率が上がるタイミングはあるの?

妊娠が発覚したら葉酸サプリを飲むのは、今では妊婦さんの常識となっています。しかし、葉酸サプリは薬ではないので、「いつ飲む」というタイミングに関する明確な指示はありません。「食前?食後?食間?」葉酸サプリはいつ飲めば、より効果的に吸収率を増加できるのでしょうか。そんな多くの妊婦さんが抱く疑問についてご紹介します。

葉酸サプリはいつ飲むべき?タイミングに決まりはあるの?

いつ 時間 時計

葉酸サプリの商品ラベルには、具体的に飲むタイミングについての記載がないため、「いつ飲めばよいのだろう?」と疑問に思った妊婦さんや妊活中の女性も少なくないでしょう。

サプリメント(栄養補助食品)は医薬品ではないため、摂取タイミングを表示することは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、通称「薬機法(平成26年の薬事法改正により名称が変更)」の規制によって禁止されています。

そのため葉酸サプリは、「いつ飲むべき」という明確な決まりはなく、基本的には「いつ飲んでも大丈夫」なのです。

葉酸サプリのおすすめの飲み方

どの時間でも飲むことができる葉酸サプリ。ここでは、葉酸サプリの効果的な摂取タイミングや、少しでも負担なく飲み続けるためのおすすめの飲み方をご紹介します。

1.1日複数回、3~4時間程度間隔をあけて飲む

葉酸サプリは一般的に、1日分の目安量が2~4粒程度になっている商品が多いです(配合成分によって異なります)。この1日の目安量を一度にまとめて飲むのではなく、複数回に分けて飲むのがおすすめ。

葉酸は水溶性ビタミンなので、一気に大量摂取しても尿として体外に排出されやすいデメリットがあります。

例えば朝・昼・晩など、1日2~3回に分けるのがおすすめです。その際は、最低でも3~4時間程度間隔をあけた方がよいとされています。

ただし、複数回に分けることで飲み忘れてしまう可能性があれば、飲みやすい時間帯に目安量を一度で全部摂る方がよいでしょう。

2.食後に飲む

サプリメントは、基本的に食事の後に飲むのがよいとされています。

空腹時に飲んだ方が吸収率がアップするという意見もありますが、満腹時の方が食べ物と一緒にゆっくり吸収されて、総合的に吸収率が増加すると考えられています。

特に胃への負担が大きいと感じる人は、空腹時でなく食後に葉酸サプリを飲むとよいでしょう。ただし、脂っこい食事の後の葉酸サプリの摂取は、2時間程度控えた方がよいといわれています。

3.水で飲む

葉酸サプリを飲む際は、水か白湯と一緒に摂ると効果的です。お茶やコーヒー、紅茶などに含まれるカフェイン、タンニンにはサプリの吸収力を妨げる可能性があります。

また、葉酸サプリの吸収を考慮して、サプリの摂取前後も同様に、カフェインやタンニンを含む飲み物は控える方がよいでしょう。

4.毎日同じ時間・タイミングに飲む

葉酸サプリは毎日忘れずに、長期間飲み続けることが大切です。サプリメントは薬のように即効性があるものではなく、栄養補助が目的です。1日飲めば効果を実感できるものではありません。

飲み忘れを防ぐために、朝食や昼食の後などタイミングや時間を決めておくことをおすすめします。

いつ飲むべきか、そのタイミング自体は重要ではなく、自分が無理なく飲めるタイミングで続けることが一番大切なのかもしれません。

また、サプリを摂取する間隔をできるだけ均等に保つためにも、毎日同じ時間・タイミングに飲むことが効果的です。

5.飲み忘れがあっても1日の目安量は過剰に増やさない

葉酸サプリを飲み忘れてしまったからといって、次の日に過剰摂取するような飲み方はやめてください。

葉酸サプリの摂り過ぎは副作用に繋がる可能性があるため、必ず毎日の目安量は保つようにしましょう。

なお、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では(※1)、成人女性の葉酸摂取推奨量を240μg/日としており、妊娠中の女性については推奨量を480μg/日としています。

葉酸サプリはいつからいつまで飲む?おすすめの時期は?

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妊活中や妊娠中はいつからいつまで葉酸サプリを飲めばよいのか、時期についても多くの女性が疑問に感じています。

妊娠を計画したその瞬間から

葉酸サプリは妊娠してから摂り始めるよりも、妊活を始めたとき(妊娠を計画したとき)から飲み始めることが大切です。

厚生労働省でも、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクの低減のために、妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月(妊娠12週)までの間は、食事からの葉酸摂取に加えて栄養補助食品(サプリ)から、1日400μgの葉酸を摂取することを推奨しています(※2)。

これは、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクの低減のためには、本来は妊娠7週頃までが大切な期間であり、妊娠発覚後の葉酸摂取では遅い可能性があるためです。

予想外の妊娠であった人は、妊娠に気が付いたタイミングから葉酸を摂るようにしましょう。

妊娠初期以降も葉酸は大切な栄養

胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを低減させる意味では、葉酸サプリの推奨摂取時期は妊娠1ヶ月以上前~妊娠3ヶ月頃といえますが、それ以降も葉酸は大切な栄養です。

葉酸が欠乏すると、ある種の貧血(巨赤芽球性貧血)や口内炎、皮膚障害などを引き起こしたり、動脈硬化のリスク要因となったりします。特に妊娠中は貧血になりやすいため、造血に必要な葉酸は意識的に摂取することが大切です。

実際に、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」では(※1)、妊婦の葉酸摂取について+240μg/日の付加量を推奨しています。さらに、授乳中の女性にも+100μg/日の葉酸を推奨付加量としています。

なお、バランスのよい食生活を前提とし、食事から葉酸を摂取することは理想的ですが、葉酸は熱や水に弱く、食事のみで必要量を摂るのは現実的に難しい栄養素です。足りない栄養はサプリで効果的に補うことをおすすめします。

葉酸サプリは飲み方よりも毎日続けることが大切

テーブルの上に広げられた葉酸サプリ

葉酸サプリは薬ではなく栄養補助食品のため、どの時間でも飲むことができます。基本的には、自分の体調のよいときに飲むのがよいでしょう。

また、葉酸サプリは「いつ飲むか」や「効果的な飲み方」よりも、毎日継続することも大切です。サプリの効果は数ヶ月継続することで実感できるともいわれています(商品や個人差があります)。

さらに、葉酸サプリを選ぶ際は、妊婦さんに必要とされる400μgの葉酸が含まれているか、また厚生労働省ですすめられている「モノグルタミン酸型」であるか、化学合成添加物が含まれていないかなど、安心して飲めるサプリであるかを確認することをおすすめします。

下記の関連記事では、葉酸サプリの選び方を詳しく紹介していますので、ぜひご参照ください。

※1 参考文献:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要
※2 参考文献:厚生労働省 神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について

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