あせものより(乳児多発性汗腺膿瘍)とは?症状・治し方・予防法は?
あせものよりとは?
あせものよりは、正式名称を「乳児多発性汗腺膿瘍(にゅうじたはつせいかんせんのうよう)」といいます。その名前のとおり、幼い乳児や子供によく見られる症状です。
名前が似ている「あせも」と間違えられることが度々ありますが、あせものよりは簡単にいうと「あせもが悪化して引き起こされる症状」です。
あせもとあせものよりの違い
一般的にあせもは、汗腺の中にたまった汗が刺激となって、皮膚に炎症が起こることで発生します。小さく赤い発疹が、くびれや髪の毛の生え際など、汗がたまりたすい場にでき強いかゆみを伴います。
あせものよりは、赤ちゃんがあせもを搔きむしり、細菌が入り込んで化膿してしまった状態のことを指します。
あせものよりは、熱が出たりリンパ節が腫れるといった強い症状が現われます。また、あせもと違い、細菌性の症状のため、人にうつる恐れもあります。
あせものよりの症状は?
小さなぶつぶつが無数にできるあせもと違い、あせものよりは、赤いしこりやおできができます。あせもに比べて、大きく目立つのが特徴です。
あせものよりは、1cm程度に膨らみ痛みを伴うため、赤ちゃんが泣いてしまったり不機嫌になったりします。
前述のように、場合によって発熱する可能性もあるため、注意しながら様子を見ましょう。
あせものよりの治療法は?
細菌に感染することで発症するあせものよりは、自宅療養だけで完全な回復を待つのは難しいです。「あせものよりかも?」と思う症状が見られるときは、できるだけ早く病院を受診することをおすすめします。
長時間放置すると、細菌が入り込んで膨らんだ箇所が跡に残ってしまう可能性があります。違和感を感じたら、早期に医師に相談しましょう。
以下では、あせものよりで受診した際の治療法について、詳しくご紹介していきます。
抗ウイスル剤処方薬を飲む
あせものよりで受診すると、原因となるウイルスを撃退するために、抗ウイルス剤を処方してもらえます。医師の判断を受けたうえで、しばらく薬を飲ませることが効果的な治療です。
また、熱が出ている場合は、風邪のときと同じように、水分や栄養をとらせながら様子をみてください。
塗り薬で沈静させる
あせものよりが特に悪化して、膨らんでいる箇所には、抗生剤が入った塗り薬で治療することも効果的です。塗り薬は自己判断で選ばず、必ず医師から処方されたものを使用してください。
あせものよりの予防法は?
一度できてしまったあせものよりは早く治療するのはもちろん、日頃の生活の中で、あせもが悪化してしまわないように心がけることが大切です。
自宅でできるセルフケアとして、次のような予防法を意識してみてください。
汗をこまめに拭きとる
汗の分泌が多い赤ちゃんは、大人の何倍もの汗をかいています。放置することであせもが発生し、悪化してあせものよりを招いてしまいます。
そのため、「汗をきっちり拭きとる」ことが、あせものよりの効果的な予防法といえます。
部屋の温度・湿度に注目する
大人には快適な温度・湿度であっても、赤ちゃんにとっては汗が止まらない不快な環境かもしれません。様子をみながら、エアコンや加湿器・除湿機を利用して、快適な空間に整えてあげましょう。
汗をかきすぎてしまわないように気を配ることも、あせものよりの予防に効果的です。
●赤ちゃんが快適な温度・湿度
- 温度:夏 18℃~28℃、冬 25℃~28℃
- 湿度:40%~60%
こまめに着替えさせる
汗の付着した肌着や衣類を身に着けていると、不衛生な状態が続き、あせもが悪化しやすくなってしまいます。
また、普段肌着や衣類で隠れている箇所ほど、知らないうちに汗をかきやすいものです。こまめに着替えさせて、あせものよりを予防しましょう。
おむつもこまめに替える
見落としやすいのが、おむつです。汗をかいているときは、おむつが汚れていなくても、おむつ替えをしてあげましょう。ムレやすいおむつを替えてあげることで、おしりまわりも清潔な状態をキープできます。
また、暑い季節はより通気性の高いおむつに変えて、あせものよりができないように工夫することもおすすめです。
シャワーやお風呂で清潔な状態を保つ
脇の下、ひざやひじの重なり合った部分など、拭き取りにくい箇所には汗が溜まってしまいがちです。
たくさん汗をかいたときは、赤ちゃんをお風呂に入れてベビーソープを使い、体全体の汗をさっぱり洗い流しましょう。
お風呂上がりにはベビーローションなどでしっかり保湿をおこない、肌のバリア機能を高めて皮膚トラブルを予防します。
赤ちゃんの爪を短く切っておく
赤ちゃんに万が一あせもの症状が見られる場合は、あせもを掻きこわさないように爪を短く切りそろえておきましょう。
肌が未熟な赤ちゃんは、爪を長くしているとひょんなことで怪我をしてしまう恐れがあります。爪や指先は清潔に保つようにしてください。
あせものよりができたら早めに病院へ行こう
赤ちゃんにあせものよりの症状が見られたら、傷跡が残らないように、早めに病院を受診しましょう。適切な処置をおこなうことで、赤ちゃんのキレイな肌を守ってあげることができます。
また、あせものよりは、あせもの症状を悪化させないことで未然に防ぐことが可能です。日頃から清潔な環境を心掛けて、あせものよりができないように注意を払ってくださいね。