【医師監修】妊娠検査薬はいつから反応する?フライング検査の時期は?
そもそも妊娠検査薬が反応する仕組みは?
特に妊活中のカップルにとって「妊娠しているかどうか」は大変気になること。ほとんどの人が、産婦人科を受診する前に、妊娠検査薬を使って自分で検査をするでしょう。
妊娠検査薬は、尿中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の値によって陽性反応の有無を示します。
hCGは着床、つまり妊娠すると発生するホルモンなので、このホルモンが体内で作られていることがわかれば、妊娠していると判断することができるのです。
一方で、妊娠検査薬を使用する注意点として、自己チェックはあくまで参考程度とし、正確な診断は医療機関でおこなう必要があることを、あらかじめ理解しておくことが大切です。
一般の妊娠検査薬と早期妊娠検査薬では反応が出る時期が違う!
妊娠検査薬には実は2種類あります。いわゆる一般的な「妊娠検査薬」とフライング検査ができる「早期妊娠検査薬」です。
この2種類の妊娠検査薬の違いは、いつから陽性の反応を示すのかという点。また入手方法も異なります。
一般の妊娠検査薬
普通の妊娠検査薬の場合は、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の値が「50IU/L」となれば陽性反応を示します。
一般的に、「生理予定日の約1週間後」から使えます。それよりも早いタイミングで検査をすると、陽性反応を示したとしても、確実ではない可能性があります。
第2類医薬品に指定されており、近隣のドラッグストア・薬局で購入が可能です。
早期妊娠検査薬
対して早期妊娠検査薬の場合は、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の値が「25IU/L」で陽性反応が出る仕組みになっています。つまり、より早期に妊娠しているかどうかの検査をすることが可能です。
一般の妊娠検査薬が「生理予定日の約1週間後」から使えるのに対して、早期妊娠検査薬は「生理予定日前~生理予定日当日」から使用することができます。
基礎体温をつけている人は、高温期の9日目からが使用開始日の目安となります。
製品によって具体的な使用可能時期は異なるものの、中には生理予定日6日前から使えるものがあり、一般の妊娠検査薬よりも約1~2週間ほど前にフライング検査をおこなうことが可能です。
ドクターズチョイスの「ワンステップ」など、早期妊娠検査薬の多くが海外からの輸入品。日本国内でも購入は可能ですが、通販サイトからの購入が主となります。
唯一の国産製品である、アクラスの「チェックワンファスト」は、医療用体外診断用医薬品にあたるため、薬剤師がいるドラッグストア・薬局でのみ購入可能です。薬事法により通販での購入も不可能となっています。
妊娠検査薬はいつから使える?計算方法は?
一般の妊娠検査薬と早期妊娠検査薬の特性を踏まえたうえで、具体的に妊娠検査薬をいつから使えるか、目安時期の計算方法をご紹介します。
毎回規則的に生理がきている場合と、生理不順な場合で、計算方法が異なります。
1.生理周期が規則的な場合
- 前回の生理開始日+生理周期+1週間
【例】
・前回の生理開始日:10月1日
・生理周期:28日
⇒前回生理開始の10月1日に生理周期の28日を足すと10月29日。その1週間後の「11月5日」が妊娠検査薬の使用開始日の目安。早期妊娠検査薬は、1週間を足さずに「10月29日前後」に使用可能です。
2.生理不順な場合
- 前回の生理開始日+前回~4回前の生理のうち最も短かった生理周期+1週間
【例】
・4回前の生理開始日:7月3日
・3回前の生理開始日:8月6日
・前々回の生理開始日:9月5日
・前回の生理開始日:10月1日
⇒一番短かった生理周期は前々回~前回で26日。前回生理開始の10月1日に26日を足すと10月27日。その1週間後の「11月3日」が妊娠検査薬の使用開始日の目安。早期妊娠検査薬は、1週間を足さずに「10月27日前後」に使用可能です。
また、前回の生理開始日がわからない場合は、受精した可能性がある性交日から約3週間後を目安とするとよいでしょう。
フライング検査の注意点は?
妊娠すると黄体ホルモンの働きによって排卵後の高温期が続き、個人差はあるものの、高温期の9日目以降からhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の値が高くなるといわれています。前回の生理開始から26~32日目頃には、早期妊娠検査薬で陽性反応を示す目安値である25IU/L程度に到達する可能性があります。
そのため、生理予定日前後であれば、早期妊娠検査薬で陽性反応を示す可能性が高いです。早い人では、生理予定日よりも数日前に陽性反応が出ることがあります。
ただし、フライング検査ではhCGの値がまだ少なく、確実な検査結果が出ない場合があることを認識しておきましょう。
また、早期妊娠検査薬を使って陽性反応が出た場合も、子宮外妊娠などの異常妊娠の可能性もあるため、速やかに医療機関を受診しましょう。
結局、妊娠検査薬はいつから使えばよいの?
それまで不妊治療や妊活を頑張ってきたカップルにとって、待望の妊娠は少しでも早く知りたいもの。また、想定外の妊娠の可能性がある人にとっても、妊娠検査薬はいつから使えるのか気になるところですよね。
確実な検査結果がわかる可能性が高いのは、やはり生理予定日から1週間以降。どうしても早期に知りたい人は、生理予定日前後に早期妊娠検査薬を使ってみましょう。
いずれにせよ、妊娠検査薬で陽性反応が出たとしても、子宮外妊娠など異常妊娠の判断はできないため、産婦人科を受診し医師に診断してもらいましょう。