赤ちゃんが髪の毛をむしる原因はストレス?やめさせるには?【助産師監修】
赤ちゃんが自分で髪の毛をむしる、引っ張る行為を目の当たりにしてびっくりした経験はありませんか?
あまりに髪の毛をむしっていると、生え替わりのタイミングまでしばらく薄毛のままだったり…。何かストレスを抱えているのではないかと心配になりますよね。
今回は、赤ちゃんが自分で髪の毛をむしる行動について、考えられる原因や対策方法をご紹介します。
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赤ちゃんが髪の毛をむしる原因はストレス?
自分の髪の毛を「むしる」「引っ張る」といった行為は、実は低月齢の赤ちゃんによく見られる行動のひとつです。こういった乳幼児期の自傷行為とも見られる行動は、特別めずらしいことではありません。
赤ちゃんが髪の毛をむしる背景に、ストレスを感じていたり、親の愛情不足だったり、イライラ・むしゃくしゃしていることが原因だと思われるようですが、実際には、1歳前後の赤ちゃんがストレスを溜め込むことは考えにくいです。
ママの気を引くためのひとつ?
もちろん日々の生活の中で、お腹が空いたり、おむつが濡れていたり、室内が暑過ぎる・寒すぎるといったことで、赤ちゃんがストレスを感じることはあるものの、ストレスによって髪の毛をむしることはありません。
ただ、1歳を過ぎると徐々に周囲の環境を理解すると共に自我や感情が強くなるために、ママの気を引く手段として髪の毛を引っ張ることはあるかもしれません。
赤ちゃんの成長に合わせて、寄り添いながら原因を探してあげましょう。
赤ちゃんが髪の毛をむしる原因として考えられることは?
「ストレスやイライラではないならなぜ…?」赤ちゃんが髪の毛をむしる行為には、主に次のような理由が考えられます。
1.把握反射
新生児や生後2~3ヶ月までの低月齢の赤ちゃんに見られるのが把握反射です。手の平に指などが触れると反射的に握り返してくる状態で、この反射によって髪の毛をつかんでいる可能性があります。
2.くせ
特別な意味はなく無意識に髪の毛をむしっている、つまり「くせ」で髪をむしってしまうケースもあります。
ママたちからは、「赤ちゃんが眠いときに髪の毛をむしることが多い」という話がよく聞かれますが、赤ちゃんなりのすんなり入眠するためのくせなのかもしれません。
同様に、眠くなると頭や顔、全身をかくような仕草をする赤ちゃんも多いです。このようなくせは続くことはありますが、髪の毛をむしるのは、成長するにつれて自然とやらなくなることが多いようです。
3.好奇心、学習
生まれて1年も経っていない赤ちゃんは、毎日が新しい発見の連続です。自分の手を使って物の感触を確かめたり、そばにあるものに興味を示します。
この好奇心の行動のひとつとして、髪の毛をむしっている可能性があります。自分の手を使い、自分の頭にある「何か」を引っ張ります。
「これは何だろう?」と学習しながら、髪の毛をむしることを繰り返しているのかもしれません。
4.かゆみ
頭にかゆみや違和感があるときに、髪の毛をむしる行動に出るかもしれません。赤ちゃんは新陳代謝が活発で汗をたくさんかいたりすることで、頭皮にかゆみを感じる可能性があります。
また、頭皮に湿疹などができている可能性もあるため、地肌に異常がないか確認してみましょう。
赤ちゃんは髪の毛をむしると痛い?
大人であれば、自分で髪の毛を引っ張るともちろん痛いですよね。しかし、赤ちゃんは自分で髪の毛をむしっても、痛がることはなく「ケロリ」としていることがあります。これはなぜでしょうか?
まず、生後間もない赤ちゃんの髪の毛は産毛です。月齢が進むにつれて、産毛から髪の毛に生え替わっていきます。生え替わりの時期には個人差がありますが、1歳のお誕生日を迎える頃には、赤ちゃんの多くはしっかりした髪の毛になっています。
このように、赤ちゃんのあいだは産毛から髪の毛に変わるタイミングで、むしったり引っ張ったりしても、力の加減によって痛みを感じたり感じなかったりすることがあるようです。
ただ赤ちゃんの中には、痛みを感じたりびっくりしたりすることで、泣いてしまうことがあります。
月齢が進むにつれて「髪の毛をむしる=痛いこと」と理解していくので、このような行動も自然になくなっていくようです。
1歳以降も髪の毛をむしるのをやめない場合は注意しよう
当記事の最初に「赤ちゃんがストレスを溜め込むことは考えにくい」と紹介したように、月齢の低い赤ちゃんが髪の毛をむしることと、ストレスについては無関係と考えてよいでしょう。
大半は、1歳頃までを目安に成長するにつれて自然に落ち着いてきまが、1歳を過ぎて自我が芽生え自己主張が強くなってきても、髪の毛をむしることが多いときは注意が必要です。
何かしらの原因が背景にあって、何かを主張していたり、子供なりの「気付いてほしい」アピールの可能性もあります。心当たりはないか考え、どのようなシーンで子供が髪の毛をむしる行動に出るか、様子を観察してみてください。
赤ちゃんが髪の毛をむしるのをやめさせるには?
赤ちゃんが髪をむしるのは、見ていて痛々しいですし、薄毛になってしまいそうで心配ですよね。そんなときに試してみたい対策方をご紹介します。
1.興味を別のことにうつす
赤ちゃんを1日中観察し続けることは難しいですが、髪の毛をむしる行為を発見したら、おもちゃなどを使って気を紛らわせてみましょう。
赤ちゃんの興味が別のことに移ると、髪の毛を引っ張ることをすんなりとやめるかもしれません。
2.手に違うものを持たせる
特に、眠いときによく髪の毛をむしるという赤ちゃんには、代わりに別の物を手に持たせると効果的です。
赤ちゃんが安心できる物に触れていると、寝つきがよくなります。髪の毛の代わりにタオルやぬいぐるみなど、柔らかい物を持たせてみましょう。
3.地肌は毎日清潔に洗う
皮脂や汗、湿疹などによるかゆみが生じている場合は、毎日お風呂でベビーソープを使い頭皮をきれいに洗い清潔にしましょう。乳児期特有の肌トラブルは成長と共に改善されていくため、過度に心配する必要はありません。
4.ミトンを使う
赤ちゃんが髪の毛をむしったり、顔を引っ掻いたりするのを防ぐためにミトンを使うママもいます。しかし、ミトンを付けっぱなしにするのは、赤ちゃんの手指の動きの妨げになるため、できるだけ長時間の使用は避けたいもの。
ミトンはできるだけ短時間、傷などが気になるときのみ使うようにしましょう。また、髪の毛を引っ張る際に、地肌を引っ掻かないように、爪を切っておくことも大切です。
赤ちゃんが髪の毛をむしるのはストレスや愛情不足ではない
赤ちゃんが髪の毛をむしる、引っ張ることは、めずらしくいことではなく、低月齢の赤ちゃんにしばしばみられる行動です。ストレスや親の愛情不足ではなため安心してください。
成長と共に自然におさまっていくことが大半。髪の毛をむしっているのを発見したら、「痛いよ」「髪の毛はだいじだよ」などとやさしく声をかけながら、別のおもちゃなどで気を紛らわせて、うまく乗り越えていけるとよいですね。