【助産師監修】授乳中の下痢や腹痛の原因は?薬はのめる?

授乳中のママがお腹の調子を崩したり、下痢になるのは珍しいことではありません。「母乳育児中はお腹が痛くなりやすくて大変」というママの声は多いです。なぜ授乳中のママは下痢が起こりやすいのか?下痢の原因や対処法についてご紹介します。

授乳中は下痢になりやすい?原因は?

授乳中のママ・赤ちゃんと搾乳器

授乳中は下痢や腹痛を起こしやすいと感じるママが多いようです。「授乳」と「下痢」、一見、直接関係のないことのように思えますが、実は無関係とはいいきれません。

授乳中のママが下痢を起こしやすい原因はいくつか考えられますが、いずれの場合も、産後の万全ではない体調が関係しているケースがほとんどです。

以下では、授乳中に下痢を引き起こす原因をご紹介します。

身体の冷え

授乳中のママは、運動不足から筋力が低下していたり、出産時に骨盤が歪んだことから血行不良になることが多いです。

そのため、血液が全身に巡りにくくなり、身体が冷えやすく下痢を引き起こしてしまいがち。

昔から「女性はお腹や足を冷やしてはいけない」とよく言ったものですが、これは理にかなっているといえます。冷えによる下痢は慢性化しやすいので、注意が必要です。

免疫力の低下

授乳中は、産後のママの身体の回復期とも重なっています。まだ体調が万全ではないので、免疫力が低下していたり、疲れやすく感染症にもかかりやすい状態です。

この時期に下痢を起こすと予想以上に体力を消耗して、他の病気にもかかりやすくなります。授乳中は、自分の身体を回復させる大切な時期なので、できるだけ無理をしないように気を付けましょう。

ストレス

腸はとても敏感な臓器で、精神的なストレスが負担となって過剰に反応してしまうことがあります。

特に授乳中は、慣れない育児と疲れでストレスが溜まって、下痢を起こすママは多いもの。性格的に真面目なママほどストレスを抱えやすく、下痢や体調不良でさらに悪循環を生み出してしまいます。

「授乳中だから薬は服用できない」と医師にも相談せずに自己判断で解決しようとして、下痢が悪化してしまうケースも少なくありません。

自律神経の乱れ

産後はホルモンバランスが変わります。授乳によってもホルモンの変化があります。このようなホルモンバランスの変化によって、自律神経が乱れると、下痢などの症状が出やすくなります。

消化不良

産後は、赤ちゃんのお世話に忙しくしている人が多いでしょう。食事の時間が十分に取れず、よく噛まないで食べることも消化不良となり、下痢の原因になることがあります。

腸炎

授乳中もママに起こる腸炎には、腸自体が炎症を起こしている場合と、ウイルス感染している場合があります。

腸の炎症は、出産時に何らかの原因で腸が損傷してしまうことや、免疫力が落ちて荒れた状態が続いていることが原因です。

また、授乳中のママの身体はまだ抵抗力が弱いので、ノロウイルスのような胃腸にダメージを与えるトラブルに感染しやすく、下痢を起こしてしまうことがあります。

授乳中に下痢と便秘を繰り返している場合は?

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授乳中の下痢が治まったと思ったら、今度は便秘に悩まされるケースも多いです。その場合は、腸内バランスが崩れているか、過敏性腸症候群の可能性があります。

授乳中の食生活の中で、水分と食物繊維の摂取が不足していたり、腸内の善玉菌が少ないと、腸は本体の動きができずに下痢や便秘になってしまいます。

また、過敏性腸症候群の原因はまだはっきりとわかっていませんが、ストレスが関係しているといわれています。下痢や便秘といったお腹の心配が常に付きまとい、なかなか完治しにくい病気のひとつです。

どちらの場合も生活習慣の見直しが改善に繋がるので、規則正しい食事や生活を送れているか、見直してみてください。

授乳中に下痢止めの薬はのめる?

薬

国立成育医療研究センターの妊娠と薬情報センターによると(※1)、授乳中に服用する薬は、母乳に移行するといわれています。とはいっても、「母乳中に移行するけれども、その量は非常に少ない」ことも同時にいわれています。

そのため、授乳中に必ずしも薬をのんではいけないわけではなく、また薬を服用するために母乳をあげることを一度ストップしなければいけないわけでもありません。症状によっては、きちんと薬をのんでまずは病気を治すことも大切です。

授乳中に大切なのは、自己判断で下痢止めを使用するのではなく、病院で医師と相談し薬を決めることです。また、厚生労働省によると(※2)、ノロウイルスなどのウイルスによる下痢には、止しゃ薬(下痢止め)は病気の回復を遅らせることがあるため、使用しない方がよいとされています。

自己判断で市販薬を服用して「授乳中に飲んでも大丈夫だったのか?」と悩んでストレスに繋がるよりも、病院で医師に相談した方が、ママの精神的にもよいといえるでしょう。

授乳中の下痢が長引く、発熱があるときは病院を受診しよう

ポイント

授乳中に下痢の症状があるときは、まずは便を出し切って様子をみましょう。1~2日で治まれば問題ないですが、数日間続いていたり、熱など他に気になる症状があれば病院で相談しましょう。

医師の診断を受けるときには、現在授乳中であることを必ず伝えてください。授乳中のうえで母乳に影響のない薬を処方してもらえるので、安心して薬を服用することもできます。

また、下痢が続いている場合は、授乳に加えて下痢によっても身体の水分が奪われてしまいます。知らない間に脱水症状を起こしていることもあります。必要に応じて点滴をしたり、安全に体力の回復ができるような治療をしてもらえます。

なお、下痢の後は石鹸できれいに手洗いをすることも大切です。下痢の原因によっては、赤ちゃんや他の家族にうつす可能性があります。

授乳中に下痢にならないための対策法はある?

?

冒頭でもご紹介したように、授乳中はまだまだ身体をしっかり休めて回復させなければいけない大切な時期です。

下痢の症状は、疲れた身体が休ませてほしいといっているサインでもあります。自分が思っているよりも身体はダメージを受けているので、しっかり労わってあげましょう。

具体的な下痢の対策法は次のことを意識してみましょう。また、気分転換をしたり、育児や家事は家族に協力してもらったり、精神的な負担を減らすことも大切です。

  • 冷たい食事や飲み物は避ける
  • 栄養のある消化のよい食事をしっかり食べる
  • 身体を冷やさないように気をつける
  • ストレッチなど軽い運動をして内臓をはたらかせる

授乳中は生活を見直して下痢を防ごう

赤ちゃんに母乳をあげるママ

授乳中は、ママとっても赤ちゃんにとっても健康な生活をおくることが大切な時期です。一方、赤ちゃんのお世話に一生懸命で、ママ自身の体調はついつい後回しになってしまいがちですよね。

授乳中も食事などの生活習慣を見直して、下痢や体調不良に悩まない健康的な子育てライフを送りましょう。また、心配な症状があれば、自己判断で市販薬を使わずに医療機関で医師に相談してくださいね。

※1 参考文献:国立成育医療研究センター | 妊娠と薬情報センター:授乳とお薬について
※2 参考文献:厚生労働省 ノロウイルスに関するQ&A

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