【助産師監修】産後に激やせ!母乳育児は痩せすぎの原因に?

妊娠中に増えた体重も一般的には産後自然と元に戻っていくもの。中にはダイエットに苦労する人がいる反面で、激やせしてしまうケースも珍しくありません。産後の激やせはママの健康に悪影響を与える可能性があります。健康的な日々を送り楽しく育児をするためにも、産後に激やせしてしまう原因やその影響などについて知っておきましょう。

産後の激やせの原因は?多くの原因は母乳育児によるもの

母乳を飲む赤ちゃん

授乳中に必要なエネルギーを摂れていない

産後に激やせしてしまう人の大半は、母乳育児が原因となっている可能性があります。

成人女性(18~69歳)の推定エネルギー必要量は、身体活動レベルが普通の人で1,900~2,000kcal/日、身体活動レベルが低い人で1,650~1,750kcal/日、身体活動レベルが高い人で2,200~2,300kcal/日。加えて、授乳中の女性は身体活動レベルにかかわらず+350kcal/日が必要だといわれています(※1)。

人間の体重は摂取したエネルギーと消費するエネルギーのバランスによって左右されます。そのため、母乳の生成に対して、十分にカロリーを摂っていなければ、産後に激やせしやすい傾向があります。

ストレスや疲れも激やせの要因に

また、激やせの背景にある原因は人それぞれです。育児に家事に、多忙な生活で十分に食事が摂れなかったり、もともと食が細かったり、育児ストレスによって食欲が失われたり、無理な産後ダイエットに取り組んだり…。

産後に激やせしてしまった人は、自身の生活をいま一度見直してみるとよいでしょう。

産後の激やせは放置すると危険?影響は?

体調不良を感じて横になる女性

産後の激やせは、健康を維持していれば過度に心配する必要はありません。

ただし、体調不良をきたすほど激やせが進行する場合、うつ病や甲状腺ホルモンに関わる病気が背景にある可能性も考えられます。

栄養失調

激やせしたうえに、栄養が摂れていない状況が続くと、栄養失調にまで発展する可能性があります。栄養失調は、見た目に痩せるだけでなく、精神的にも悪影響を及ぼします。

以下の項目の中で、当てはまる事項が多い場合は、十分に栄養が足りていない状態かもしれません。セルフチェックしてみましょう。

  • 体力が以前より落ちた。やる気が起こらない
  • 免疫力が下がり風邪をひきやすい
  • 肌にハリや潤いがなくなった
  • 抜け毛、髪のパサつき、白髪などが目立つ

産後うつ

妊娠中~産後のホルモンバランスの乱れによって起こると考えられているマタニティブルーズは、時期が過ぎると自然になくなっていきます。ただ、マタニティブルーズが産後うつに移行することがあります。

産後うつの原因や症状は人によって様々ですが、気分が落ち込むだけでなく、食欲不振に陥ることがあります。

一人で抱え込まず周囲に協力を求めるようにし、肉体的・精神的な負担を減らすほか、自治体の相談窓口を活用したり、専門医に相談したりしましょう。

甲状腺ホルモンに関わる病気

甲状腺ホルモンは、妊娠中に重要な役割を果たします。一方で、産後は甲状腺ホルモンの異常を起こす女性は少なくありません。

甲状腺ホルモンが多くなったり、少なくなったりすると、体重減少や食欲不振などの症状が出ることがあります。「産後の肥立ちが悪い」と発見が遅れるケースもあるため、産後に気になる体調不良があれば病院を受診しましょう。

産後の激やせの対策法は?

産後 体重 激やせ ダイエット

食生活の見直し

産後の激やせの原因は、人によって様々なので、一概に対策法を明言することはできません。

一般的に、十分な栄養が足りておらず激やせしてしまった場合は、食生活の見直しやストレス改善が効果的です。

ただたくさん食べればよいのではなく、次のポイントを中心に食事内容を見直してみてください。

  • 1日3食(朝・昼・晩)きちんと摂る
  • お腹が空くようなら間食もする
  • 1回の食事は腹8分目までにする(ドカ食いを避ける)
  • 野菜やたんぱく質をバランスよく食べる
  • 栄養の吸収率アップと消化しやすくするために、咀嚼(そしゃく)回数を増やす

バランスのよい食生活と、精神的にも健康的な生活を送ることで、激やせは徐々に改善することができます。

無理な産後ダイエットをしない

無理な産後ダイエットも激やせの一因です。妊娠中に太った体型を戻すために、過度な食事制限などをしていませんか? 母乳育児のためにも、毎日楽しく育児をおこなうためにも、痩せすぎは禁物です。

自然に体重が減る分にはよいのですが、産後に「激やせ」といわれないために、10ヶ月かかって増えた体重は、半年から1年ほどかけて徐々に落としていきましょう。

妊娠前の標準体重を考慮し、出産までにどれぐらい体重が増加したか、きちんと把握しておくことも大切です。

一般的に出産時には、お腹の中にいた赤ちゃんの体重(約3kg)、胎盤と羊水の重量(約1kg)が体外へ出るため、何もしなくても4kg前後の体重が減ることになります。しかし、むくみなどが原因で、出産直後に4kgも減らないことがあります。

できるだけバランスよく食事をし、授乳をしていれば、ダイエットをしなくても自然と痩せる人も多いですよ。

※1 参考文献:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要

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