葉酸サプリは男性も摂るべき?不妊症・妊活への効果とは?
葉酸サプリは男性不妊にも効果がある?
葉酸は、子宮内膜を厚くし受精卵を着床しやすくしたり、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減に効果が期待できる栄養素として、妊活中・妊娠初期の女性に対して、厚生労働省からもサプリでの効果的な摂取がすすめられています(※1)。
一方で、男性は女性ほど葉酸サプリを摂ることを意識している人はおらず、その効果についてもあまり知られていません。
実際には、妊活中のカップルにおいて、男性が葉酸サプリを飲むことでもよい効果があることがわかっています。アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校のブレンダ・エスケナジ氏らの研究発表によると、葉酸を十分に摂取している男性の精子は、そうでない男性の精子と比べて、染色体異常を約20%低減することが明らかになりました(※2)。
これまで、女性の不妊症と葉酸の関連性を調べた研究は多く存在したものの、男性の葉酸摂取が不妊症・妊娠にかかわることを関係付ける研究としては、世界で初めてのものとなりました。
つまり、男性が葉酸サプリを飲むことで、精子の正常に保つ効果が期待できるのです。WHO(世界保健機関)の調査では、不妊症で悩むカップルのうち半数近くが男性に原因があるとされている中、妊活中に男性が葉酸サプリを摂ることは効果的だといえます。
男性が摂るべき1日の葉酸量は?
厚生労働省が2005年に発表した日本人の食事摂取基準によると、18歳以上の男性の葉酸摂取量は240μg/日を推奨しています。この値は通常時の女性(妊娠を計画していない、妊娠の可能性がない)と同量です。
アメリカにおいては、男性でも1日に400μgの葉酸摂取が推奨されています。日本においては、そこまでの基準値には上げられていませんが、妊活中であれば意識的に摂るようにしましょう。
また、葉酸摂取の耐容上限量は18~29歳の男性で900μg/日、30~69歳の男性で1,000μg/日としています。葉酸は過剰に摂り過ぎると、頭痛、吐き気、食欲不振、むくみ、不眠症などの副作用が生じる可能性があるため、摂り過ぎないよう注意してください。
男性もサプリから葉酸を摂っても大丈夫?食事で摂るべき?
上記で記述したとおり、妊活中・妊娠中の女性には、サプリで効果的に葉酸を摂ることが推奨されています。妊活中の男性においても、摂取量には十分注意することを前提に、葉酸サプリを飲むことをおすすめします。
この理由は、女性と同様で、日頃の食事だけでは十分な葉酸量を摂ることが難しいため。葉酸は水溶性のビタミンであり、熱に弱くて調理法によっては葉酸値が大変低くなってしまいます。
特に男性は、仕事で忙しく食事に気を遣うのも困難なため、葉酸サプリを活用して効果的に栄養を摂るようにしましょう。
葉酸サプリを男性が飲むときの注意点
1.葉酸サプリを飲むタイミング
葉酸を効果的に摂るには、食間に葉酸サプリを飲むと吸収率が高いといわれています。これは、胃の中が空っぽの状態の時に摂るということです。
ただし、胃が弱い男性は、葉酸サプリによってお腹を壊してしまう可能性があるため、様子を見ながらタイミングを食後に飲むなど調整しましょう。
2.葉酸サプリは水で
葉酸サプリは水と飲むようにしましょう。お茶やコーヒーなどと一緒に飲む男性もいますが、カフェインを含む飲み物と一緒に摂ると、葉酸の栄養素の吸収が阻害されてしまいます。
3.葉酸サプリの適正量を守る
葉酸サプリは多く飲めばその分効果が上がるものではありません。かえって副作用が発生するリスクもあるため、適正量をきちんと守って葉酸サプリを摂るようにしましょう。
葉酸サプリを男性も活用して夫婦で妊活しよう
不妊治療は、病院への通院や基礎体温など、女性だけが努力するイメージがありますが、男性の協力も必要です。健康な男性であっても、精子に1~4%ほどの染色体異常数値、つまり正常ではない精子が存在するといわれています。
「まさか自分に限って・・」という思い込みは捨てて、男性も葉酸サプリを活用して前向きに妊活に取り組みましょう。
男性が積極的に妊活をしてくれることで、女性にとっても精神的な支えになり、夫婦関係もよくなり不妊症によい効果が期待できますよ。
※1 参考文献:厚生労働省e-ヘスルネット 葉酸とサプリメント‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
※2 参考文献:UC Berkeley News