【医師監修】赤ちゃんにほくろを発見!いつからできる?除去は必要?
赤ちゃんのほくろとは?いつからできる?
生まれつきほくろがある新生児もいますが、後天性のほくろの場合は、いつ頃からほくろが出てくるのでしょうか?
これには個人差がありますが、一般的には生後数年(3~4歳頃)で現われるといわれています。
医学的には、ほくろを含む黒いあざの正式名称は「色素性母斑(しきそせいぼはん)」といい、色素性母斑の黒く小さな点であれば「ほくろ」、大きいものは「あざ」と呼ばれます。
赤ちゃんにできる色素性母斑には、先天性のものと後天性のものに分かれます。
1.先天性色素性母斑
生まれた時から赤ちゃんの肌にあるほくろやあざは、生まれつき病変が存在する先天性色素性母斑と呼ばれます。
黒褐色や黒色をしており、扁平のもの、半球状に盛り上がっているものなど見た目は様々です。
先天性色素性母斑は、新生児のおよそ5%程度にしかできないといわれており、小さなサイズであれば心配ないものがほとんどですが、大きいサイズであるほど悪性黒色腫に変化する可能性があるため注意が必要です。
大人になったときの大きさによって種類分けされ、小型は長径1cm~1.5cm未満、中型は長径1.5cm~20cm未満、大型は20cm以上を基準に分けられます。
2.後天性色素性母斑
後天的色素性母斑とは、赤ちゃんが生まれた後、成長に伴いできるほくろやあざのことです。3~4歳頃からでき、思春期頃に増えます。
先天性と同様に、扁平のもの、半球状に盛り上がっているもの、また毛の生えているものなど見た目は様々です。
原因は特定するのが難しく、紫外線や体内のホルモン、肌摩擦などの外部刺激によるメラニン色素の増加などが考えられています。まれに親子で同じ場所にほくろができることもあるなど、遺伝も関係しているといわれています。
小さなほくろであれば、放っておいても心配のないものがほとんですが、急に大きくなったり色が変わったり、心配な変化が見られた場合は、皮膚がんである悪性黒色腫に癌化する前ぶれの可能性があります。
赤ちゃんのこんなほくろには要注意!
赤ちゃんのほくろのサイズが「点」のような大きさであれば、神経質になって心配する必要はありません。
ここでは、注意が必要な赤ちゃんのほくろの特徴をご紹介します。
次のような特徴のほくろを見つけたり、心配なことがあれば、早めにかかりつけの小児科や皮膚科を受診することをおすすめします。
ほくろの大きさが長径7mm以上ある
赤ちゃんのほくろの大きさを確認してみましょう。通常は、直径5mm以下~6mm以内であるものが多いため、目安として直径7mm以上あるほくろは注意が必要です。
7mm以上あるほくろは、身体の小さな赤ちゃんの肌にできていると目立つので、すぐに見つけることができます。
ほくろの境目がぼんやりとしている
赤ちゃんのほくろと肌の境目も確認してみてください。ほくろと肌の部分との色の違いがはっきりとしていなかったり、ギザギザしているという場合は要注意です。
短期間でほくろの大きさが変わる
赤ちゃんにほくろやあざのサイズの経過を注意してみるようにしましょう。成長に伴い、徐々にほくろが大きくなるのは問題ではありませんが、短期間で急に大きくなる場合は注意が必要です。
ほくろが膨らんでいたり色ムラがある
赤ちゃんのほくろが盛り上がるのは自然なことですが、自然ではないほど膨らんでいたり、ほくろの中にプツプツしたような症状があったり、色が均一でない場合は気を付けましょう。
かゆみや痛みのあるほくろ
赤ちゃんはまだ言葉でうまく表現することはできませんが、ほくろやあざをしきりに触っていたり、いじっていたりする場合は、赤ちゃんが違和感を感じて気にしているのかもしれません。
赤ちゃんがかゆそうにしたり、痛がって泣いていないか、いつもと違う様子がないかしっかり見てあげましょう。
ほくろから出血したり炎症を起こしている
赤ちゃんのほくろから血がにじんでいたり、ほくろから膿のような液体が出ている場合は注意が必要です。
ほくろが足の裏にできている
足の裏にほくろができると、歩くことで刺激を受けやすく、他の場所にできたほくろよりも悪性化する可能性が高いといわれています。大きさの変化など注意して経過観察をするようにしましょう。
赤ちゃんのほくろは除去すべき?
赤ちゃんのほくろは、早くに除去した方がよいのでしょうか? また、身体の目立つ部分にできているほくろであれば、見た目の観点でも除去してあげたいというママは多いでしょう。
赤ちゃんのほくろは、小さな点であれば放置しておいても心配いりません。ママやパパにほくろがあるのと同じです。
心配なほくろは皮膚科を受診し、除去すべきかどうか診断してもらいましょう。赤ちゃんのほくろの除去は、専門の皮膚科や形成外科でおこない、時期や大きさによって、レーザー治療または手術によって切除する方法があります。
赤ちゃんのほくろを除去するのに「いつから大丈夫」といった明確な年齢の決まりはありません。赤ちゃんの健康状態やほくろの場所や大きさ、上体など、様々なことを鑑みて、医師とよく相談しましょう。
赤ちゃんのほくろやあざを除去する場合、次のようなメリットとデメリットが考えられます。
ほくろを除去するメリット
赤ちゃんに気になるほどの大きさのほくろやあざができている場合は、成長と共にさらに大きくなる可能性が高いです。
成長してから除去をすると傷跡が大きくなってしまうので、肌の再生の早い赤ちゃんの頃に除去をした方が傷も小さくなるといわれています。また、傷跡も小さく済むので傷の治りも早くなります。
小さなほくろであれば、手術による切除ではなく、レーザー治療も有効である場合が多いです。
ほくろを除去するデメリット
ほくろやあざを除去する際に、赤ちゃんはじっとしていることが難しいので、局部麻酔ではなく全身麻酔を使う場合があります。
全身麻酔によるリスクはないとは言い切れないため注意が必要。医師からも細かな確認や事前診断を提案をされるため、医師の指示に従い治療を進めることが大切です。
赤ちゃんのほくろは注意して見守ろう
赤ちゃんにほくろができている場合、小さな点であれば大半は過度に心配する必要はないとされています。
しかし、今回ご紹介したように、ほくろに気になる症状が見られる場合は、悪性化し悪性黒色腫などの皮膚がんに発展してしまう可能性があるため注意が必要です。
赤ちゃんが健康に成長していけるように、慎重に様子を見ながら適切な処置をしてあげましょう。