妊娠後期のむくみの原因と解消法、妊娠高血圧症候群との関係は?

妊娠中はむくみ(浮腫)やすいといわれますが、特に妊娠後期に入るとむくみがひどいと感じる妊婦さんが多いです。むくみはマッサージなどのケア次第である程度解消できますが、高血圧が伴う場合は妊娠高血圧症候群の可能性もあります。妊娠後期に起こりやすいむくみの原因と解消法、妊娠高血圧症候群との関係についてご紹介します。

妊娠後期に起こりやすいむくみの原因は?

妊娠後期 妊婦

もともと「むくみ(浮腫:ふしゅ)」とは、余分な水分や老廃物が皮膚の下に溜まっている状態をいいます。デスクワークで座りっぱなしの人や運動不足の人、塩っ辛い食べ物ばかり食べている人に起こりやすい症状です。脚が重く感じたり、見た目にも膨張して見えます。

妊婦さんの場合、赤ちゃんが成長してお腹(子宮)が大きくなることで、下半身から心臓に戻る静脈の血液の巡りを妨げるため、水分や老廃物が溜まりやすく、特に脚のむくみがひどくなります。

さらに、妊娠後期は血中の水分量が急激に増加します。これは、血液の流れをよくして、赤ちゃんに必要な栄養を運ぶための水分です。体内に溜め込まれた水分は簡単に排出されないため、脚だけでなく全身がむくみやすくなります。

手指のむくみもひどく、指輪が外しにくくなることから、医師から妊娠後は指輪を外すよう指導されることもあるようです。

妊娠中に注意したいむくみ症状がみられる病気とは?

妊娠後期 むくみ

妊娠後期のむくみは特別なことではなく、約3割の妊婦さんがむくみを経験するといわれています。そのため、むくみがひどいとはいっても、一晩寝て翌朝解消している程度であれば、過度に気にし過ぎる必要はありません。

ただし、日本妊娠高血圧学会によると、「妊娠28週未満で全身にむくみがあるような場合は、腎臓や心臓の病気などが隠れている可能性がある(※1)」としています。

脚以外にも、顔や指(手)のむくみがひどい場合、また、高血圧などむくみ以外にも体に異変を感じる場合は、妊娠高血圧症候群を起こしている可能性があります。かかりつけの医師に相談しましょう。

妊娠高血圧症候群とは

妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週目以降に高血圧を発症し、蛋白(たんぱく)尿及び全身のむくみをきたす疾患です。日本産婦人科学会によると(※2)、「妊婦さん約20人に1人の割合で起こる」いわれています。

妊娠高血圧症候群が重症化すると、妊婦さんには「血圧上昇、蛋白尿に加えてけいれん発作(子癇)、脳出血、肝臓や腎臓の機能障害、肝機能障害に溶血と血小板減少を伴うHELLP症候群など(※2)」を引き起こすことがあります。

また、赤ちゃんには、胎児機能不全が起きたり、最悪のケースとして「場合によっては赤ちゃんが亡くなってしまう(胎児死亡)ことがある(※2)」など、妊娠高血圧症候群は注意が必要な病気です。

通常は、出産するとむくみ症状は軽減されていきます。予防法は未だ確立されていませんが、妊婦健診をきんと受診し、適切な周産期管理を受けることが大切です。

妊娠後期のむくみの解消法は?

足の裏をマッサージしている女性

妊娠後期のむくみはほとんどの人が経験します。マタニティライフを送る中で、心掛けたいむくみ解消法をご紹介します。

解消法1.マッサージ

血液は心臓から排出されて体中を巡り、心臓に戻ってくるというサイクルを繰り返しています。

妊娠後期のむくみは、大きくなったお腹が血管を圧迫し血流が悪くなること、また水分やナトリウムが排出されてにくいことが原因です。血行不良を改善するために、血の巡りをよくするマッサージをしましょう。

マッサージは、心臓から一番遠いところに位置する脚と手の指先から、付け根に向かって揉みほぐしていきます。その後、手のひら全体を使って、脚や腕をやさしく絞ります。

妊娠中はホルモンバランスの乱れから、肌がデリケートになりがちなので、ボディクリームやボディオイルを使って肌摩擦を抑えましょう。

お腹が大きくなり、脚のマッサージが難しい場合は、パートナーに手伝ってもらうとよいですね。その日のむくみはその日のうちに解消することも大切なポイントです。

解消法2.こまめに歩く(ウォーキング)

お腹が大きくなってくると、なかなか出歩くのも大変ですよね。しかし、無理のない範囲で歩くようにすると、むくみ解消に効果的です。

また、女性の社会進出が進み、妊娠後期に入っても仕事を続けている女性も多いでしょう。デスクワークの人は、同じ姿勢で長時間過ごすことが多いため、どうしても血行が悪くなり、夕方には脚がパンパンに、靴がきつく感じるほどむくみを感じやすくなります。

こまめにトイレへ行くなど、できるだけこまめに休憩を取って、同じ姿勢を続けないようにしましょう。

もちろん妊娠後期に無理は禁物なので、ウォーキングは自分のペースで取り入れてください。スニーカーや履きなれた靴で歩くことも大切です。

解消法3.塩分の摂り過ぎを控える

妊娠後期はむくみ解消のため、また肥満防止のためにも、塩分を摂り過ぎないように気を付けてください。1日7g未満を目安にするとよいでしょう。外食やできあいのお弁当などは塩分が多いので、なるべく控えてくださいね。

また、妊娠後期のむくみ解消にカリウムを意識して摂ると効果的です。塩分に含まれるナトリウムを体外に排出する働きを持つといわれています。

カリウムは、パセリやほうれん草、よもぎ、ひきわり納豆、りんごなどに含まれています。

解消法4.常温の水をこまめに飲む

水分は摂り過ぎてもむくみの原因になってしまいます。しかし、水分が不十分だと、血液がドロドロになり老廃物が排出されず、血流やリンパの流れが悪くなります。

冷えた冷水や一気飲みはむくみを招きますので、軟水の常温水や白湯をこまめに補給するようにしましょう。

解消法5.身体を冷やさない

冷えはむくみの天敵です。夏でも素足は控えて靴下を着用するとよいですね。夜はできるだけ湯船に浸かって、1日の疲れをほぐしながら体を温めて血流を良くしましょう。

また、身体を冷やすような、冷水、フルーツ、冷えた生野菜はおすすめできません。身体を温めてくれる根菜を中心に、バランスの取れた食生活を心掛けましょう。

解消法6.着圧ソックスを使用する

むくみ防止の人気アイテム、着圧ソックスは妊婦さんにもおすすめです。むくみを感じてから着用するよりも、事前に使うことでむくみの予防に効果的。産後のむくみ予防にも使えます。

特に妊娠後期はお腹がつっかえて靴下を履くのが難しいので、妊婦さんには着圧ソックスは太ももまであるようなロングタイプではなく、膝下タイプがおすすめです。

妊娠後期のむくみ、ひどい場合は医師に相談を

医師に相談をする妊婦

妊娠後期のむくみは、多くの妊婦さんが感じることなので、過度に心配する必要はありません。まずは、食生活に気を配り、マッサージや入浴で血行促進を意識してみてください。

ただし、全身のむくみが取れにくい場合や、少しでもおかしいと感じることがあれば、医師に相談してください。不安を抱えたまま妊娠後期を過ごすのは母子の健康によくありません。

今回ご紹介したむくみ解消法は、妊娠後期に限った方法ではありませんので、むくみに悩まされている女性はぜひ実践してみてくださいね。

※1 参考文献:日本妊娠高血圧学会
※2 参考文献:日本産婦人科学会 妊娠高血圧症候群

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