妊娠中の喫煙は赤ちゃんのアトピー発症リスクを高める?愛媛大が研究を発表

妊娠中喫煙は、お腹の赤ちゃんに悪影響を与える可能性は周知の事実ですよね。今回、愛媛大学などの研究チームによって、妊婦さんの喫煙が生まれた子供のアトピー性皮膚炎の発症リスクを高めることがわかりました。詳細について、わかりやすくご紹介します。

妊娠中の喫煙と赤ちゃんのアトピー性皮膚炎との関連とは?

女性 妊娠中 喫煙 タバコ

これまでの研究では、タバコの喫煙曝露は、アトピー性皮膚炎に予防的であるという報告もあれば、逆に発症リスクを高めるという報告、または両者に関連がないという報告もあり、喫煙とアトピー性皮膚炎との関連について、一致した結論は得られていませんでした。

このような背景によって、愛媛大学・琉球大学による共同研究チームが、妊娠中の妊婦さんの喫煙及び出生後1歳までの受動喫煙と、2歳児の幼児のアトピー性皮膚炎発症との関連について解析を実施しました。

これによって、愛媛大学はさらなる研究成果の蓄積が必要としながらも、妊娠中の妊婦さんの喫煙が、産まれた赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の発症リスクを高めている可能性が高いことが明らかになりました(※1)。

妊娠中の喫煙と子供のアトピー性皮膚炎の関連性については、世界で初めての研究成果となり、2016年10月28日、学術誌『Nicotine & Tobacco Research』の電子版にも公表されました(※2)。

愛媛大学共同研究チームによる研究内容と結果

もともと、妊娠中に喫煙する女性は、出生後もタバコを吸い続けるケースが多く、出生前後の喫煙曝露が赤ちゃんのアトピー性皮膚炎発症リスクに影響を与えているかどうかを、妊娠中と出産後で分けて解析することは困難でした。

そこで、愛媛大学らの研究では、妊娠中から産後(赤ちゃんが2歳になるまで)の期間に、ママと子供を追跡調査した「九州・沖縄母子保健研究」のデータを活用。同データでは、対象の1354組の母子のうち、62名(全体の4.6%)の子供が医師よってアトピー性皮膚炎と診断されました。

さらに、そのうち出産前後の喫煙曝露について、

(1)まったくない
(2)妊娠中の母親の喫煙のみあり
(3)出生後の受動喫煙のみあり
(4)妊娠中の母親の喫煙と出生後の受動喫煙の両方あり

上記の4つのグループに分けて解析を実施。

この結果、喫煙曝露について、「(1)まったくない」場合と比較して、「(2)妊娠中の母親の喫煙のみあり」だった場合に、医師診断によるアトピー性皮膚炎の発症リスクを高めていることが明らかになったのです。

なお、「(3)出生後の受動喫煙のみあり」と、「(4)妊娠中の母親の喫煙と出生後の受動喫煙の両方あり」の場合では、統計学的に有意な関連性は認められなかったとしています。

妊娠中の喫煙は赤ちゃんのためにも控えよう

妊娠中 喫煙 赤ちゃん

今回の愛媛大学らの研究によって、妊娠中の喫煙は、出生後の子供のアトピー性皮膚炎の発症リスクを上昇させることがわかりました。アトピー性皮膚炎は、一度発症すると長期にわたって付き合っていかなければいけません。

アトピー性皮膚炎は、遺伝による要因、その他の生活環境による要因も複雑に関係しているため、一概に妊娠中のタバコだけが原因とはいえませんが、できる限りのリスクは軽減してあげたいですよね。

また、厚生労働省 e-ヘルスネットによると、妊娠中の喫煙は、早期破水、前置胎盤、胎盤異常、早産や妊娠期間の短縮、胎児の成長が制限されたり低出生体重の原因になる可能性があるとされています(※3)。さらには、出生後に乳児突然死症候群(SIDS: Sudden Infant Death Syndrome)を引き起こす可能性も指摘されています。

身に着いてしまった習慣を変えることはなかなか難しいですが、赤ちゃんの健康のためにも、妊娠中のタバコは禁煙することをおすすめします。

※1 参考文献:媛大学 妊婦の喫煙が子のアトピー性皮膚炎のリスクを増加させる研究成果を発表
※2 参考文献:Nicotine&Tobacco Research Pre‐ and postnatal smoking exposure and risk of atopic eczema in young Japanesechildren: a prospective pre‐birth cohort study.
※3 参考文献:厚生労働省 e-ヘルスネット 喫煙の妊娠出産などへの影響

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