赤ちゃんの乾燥・カサカサ・かゆみ対策に効果的なスキンケア
赤ちゃんが乾燥しやすい原因は?
生まれたばかりの新生児はママのホルモンの影響が残っていることや、皮膚を守るために皮脂分泌が盛んにおこなわれてるので、乳児脂漏性湿疹と呼ばれる肌トラブルを起こすことがあります。
しかし、生後2~3ヶ月を過ぎてくると皮脂の過剰な分泌は治まり、今度は乾燥肌へと変わってきます。肌の水分量も少なくなっていくので、さらに乾燥しやすい状態になってしまいます。
特に、秋生まれの赤ちゃんは乾燥に要注意。外気の乾燥のピークは12~3月で(気象庁のデータより)、さらにエアコンの使用によって室内も乾燥が進みます。赤ちゃんの皮膚は大人の約半分ほどの薄さしかなく皮膚構造も未成熟なため、外気の乾燥に大きく影響を受けてしまうのです。
赤ちゃんは季節を問わず年中乾燥しがちですが、外気が最も乾燥する冬場は特に保湿ケアを徹底しましょう。

データ出典:気象庁
赤ちゃんの乾燥は放置すると乳児湿疹やアトピーになる?
赤ちゃんの肌の乾燥はただカサカサしたり粉をふいたりするだけではありません。肌の乾燥を放っておくと、少しの刺激で角層がめくれてしまい、肌のバリア機能が低下。バリア機能が低下すると、汚れや摩擦、化粧品の成分による刺激が炎症の原因となり、乳児湿疹につながることがあります。
さらに、肌の乾燥はかゆみも出てくるため、赤ちゃんが無意識にかいてしまいます。炎症が起こるとそこから菌が入り込み、肌トラブルを引き起こすこともあります。
また、乾燥による肌トラブルが起こると、そこから食べ物のカス、ダニの死がいやフン、花粉などのハウスダストが侵入しやすくなり、アトピー性皮膚炎の発症リスクを高めると言われています。
反対に、乾燥しがちな赤ちゃんの肌を毎日適切に保湿ケアすることで、赤ちゃんに起こりがちな肌トラブルの予防につながります。
国立成育医療研究センターの研究によると、「新生児期から保湿剤を塗ることで、アトピー性皮膚炎の発症が3割以上低下した」という結果が発表されています(※1)
赤ちゃんの健やかな肌を守るために、できるだけ早い時期からのスキンケアでトラブルを予防してあげましょう。
赤ちゃんの乾燥はどう進行する?
1.乾燥し始めは肌がカサカサしてくる
最初のうちは見た目ではあまりわからないものの、触るとカサカサしてきます。
2.ほっぺが赤くなる
乾燥が進むとほっぺが真っ赤に。また、白い粉を吹いてしまうこともあります。
3.かゆみや湿疹が発症
かゆみが出てくると共に、ブツブツの湿疹が出てきます。かゆみから掻き壊してしまうと、炎症が悪化してしまうことも。
4.乳児湿疹が慢性化。アトピー発症のリスクも
湿疹が慢性化し、ジュクジュクしたり、かさぶたができてしまいます。アトピー発症のリスクも高まります。
※赤ちゃんの肌が見てわかるほどカサカサしているときは、既に乾燥が進んでいる状態です。そうなる前に、毎日の保湿ケアが大切です。
赤ちゃんの乾燥対策に効果的なスキンケア
保湿ケア
乾燥対策に毎日の保湿ケアは必須です。できるだけ1日に2回以上は保湿してあげるようにしましょう。顔だけでなく、全身に保湿剤をたっぷりと塗ります。
また、次のようなときは乾燥しやすいので、意識的に保湿してあげるとよいですね。
- お風呂上がり
- エアコンを使っているとき
- 朝や食後に顔や口周りを拭いたとき
- 外出前後
- 日焼けした後
特にお風呂上がりは皮脂が洗い流された状態で、皮膚が乾燥しやすくなります。入浴後、赤ちゃんの体を拭いたらできるだけ早く、5分以内を目安に保湿ケアをしましょう。
なお、保湿剤は赤ちゃん用のものを使用してください。例え無添加や低刺激処方でも、大人用の保湿剤では効果や目的が異なるため適しているとはいえません。
毎日の保湿ケアにはベビーローションがおすすめです。特に乾燥しやすいほっぺや口の周り、あご、関節などには、より保湿力の高いベビークリームやベビーバームなどを塗ってあげるとよいでしょう。
お風呂の温度は熱過ぎないように
赤ちゃんの皮膚は薄くて水分を保つことができないため、お風呂の温度が高いと余計に乾燥を招きます。大人が感じるよりもぬるめで大丈夫。赤ちゃんの乾燥を防ぐには、38~39℃ぐらいのお湯に調整しましょう。
体を洗うときはゴシゴシしない
赤ちゃんの体を洗うときは、ゴシゴシとこすらずにやさしく洗うのがポイント。必要な皮脂までも取り除かないように、赤ちゃん用のベビーソープをよく泡立てて、泡をころがすイメージで洗います。できるだけ乾燥を防いでくれる、高保湿成分を含んだベビーソープを選びましょう。
加湿器を使う
赤ちゃんの乾燥対策に適切な湿度は50~60%程度といわれています。特に外気が乾燥する冬場は、加湿器を使って室内の湿度を保つと効果的です。肌の乾燥だけでなく、風邪や鼻詰まりの予防・改善にも効果が期待できますよ。
赤ちゃんの乾燥や肌荒れがひどい場合は病院へ
肌が乾燥するとかゆくなり、赤ちゃんは無意識のうちにかいてしまいます。毎日のこまめな保湿ケアと、つめをいつも短く切っておくことが大切です。
しかし、家庭での保湿ケアを徹底していても乾燥が改善されず、乳児湿疹が悪化したり、赤ちゃんが掻き壊してしまう場合は、かかりつけの小児科(または皮膚科)を受診しましょう。掻き壊した傷口から感染し、とびひを発症してしまうこともあります。
症状の度合いによって、ステロイドなどの適切な薬が処方されることもあるので、悪化してしまう前に早めに対処してあげることが大切ですよ。