妊娠すると肌荒れしやすくなる?原因と対策、効果的なスキンケア
妊娠すると肌荒れが起きやすい?
妊娠前は肌荒れ知らずだった人も、妊娠すると、ニキビが増えたり乾燥肌になったりと、肌の変化を感じる妊婦さんが多くいます。
特に、妊娠初期症状のひとつとして肌荒れが起こりやすいため、「最近肌の調子が悪いな」と感じたことをきっかけに「そういえば、月経がきていない…」と妊娠が発覚する、というケースもあります。
妊娠すると起こりやすい肌荒れには、次のような症状があります。
- ニキビ
- 吹き出物
- 乾燥肌
- 肌のかゆみ
- シミ、そばかす
- 化粧のりが悪くなる
- 湿疹
- アトピー
中には、妊娠性掻痒や妊娠性痒疹、妊娠性疱疹、PUPPPなどの病名がついた肌荒れの症状が出ることも。それぞれかゆみがあることが共通点で、湿疹や蕁麻疹が出る場所などで区別されますが見分けるのは難しいです。
胎児には影響はないと考えられており、出産すると治ることが多いです。
妊娠による肌荒れの原因は?
妊娠による肌荒れは、未だわかっていないことが多いものの、主に次の4つの原因が考えられます。
原因1.ホルモンバランスの変化
妊娠後に肌荒れを引き起こしているのは、ホルモンバランスの変化が大きな原因として考えられます。
生理前は肌荒れを起こしがちですが、これは生理開始前に「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンの分泌が増えることが原因。
プロゲステロンは「肌荒れのホルモン」という別名がついているほど、肌荒れと深く関係しています。このホルモンには皮脂分泌を促す働きがあるため、ニキビや吹き出物ができやすくなります。
妊娠中は生理前と同様に、このプロゲステロンの分泌が活発な状態になることから、肌荒れを起こしやすくなるのです。
原因2.妊娠中の便秘
妊娠すると便秘がちになってしまうのも、前述のプロゲステロンのホルモン分泌量が主な原因です。
便秘になると毒素が排出されず体内に留まってしまうため、ニキビや吹き出物といった肌荒れ症状として、体外に毒素を排出しようとする作用を引き起こしてしまいます。
原因3.ストレスや免疫力の低下
妊娠すると赤ちゃんを授かった喜びの反面、様々な要因からストレスを感じやすいことがあります。
つわり、妊娠をしたことで行動が制限されてしまうこと、育児への漠然とした不安、仕事との両立など・・・、ストレスを抱える理由は人それぞれですが、そのままマタニティブルーへと発展してしまう人も。
ストレスによる不眠などから、免疫力が低下し肌荒れの原因のひとつとなってしまうことがあります。
原因4.栄養や水分の不足
妊娠すると女性の体は自然に赤ちゃんの成長を優先するようになります。栄養や水分もまずは赤ちゃんに送られるようになるため、妊婦さんは栄養が不足しがちに。
また妊娠初期は、つわりによって食欲が低下して十分な栄養を摂取できないだけでなく、味の好みが変化することで栄養が偏るのも肌荒れの原因です。
栄養や水分が不足することで、肌はカサカサの乾燥肌になってしまいます。
妊娠中の肌荒れはいつからいつまで?
妊娠による肌荒れは、早い人で妊娠初期症状として現れます。そのため、月経開始予定日頃(妊娠4~7週頃)から肌荒れを感じ始めます。
ただ、妊娠による肌荒れを自覚しないことも多く、人によって肌荒れが始まったと感じる時期がバラバラです。
また、肌荒れが落ち着く時期も個人差が大きいです。基本的には、出産するまでは肌の調子がよくなったと感じることは少なく、妊娠全期を通して非妊娠時と比較し何かしらの不調を感じることが多いようです。
妊娠中の肌荒れで赤ちゃんの性別がわかるって本当?
ママたちの間で「妊娠中の肌荒れで性別がわかる」という都市伝説があります。「吹き出物やニキビが増えると男の子」、「シミが増えると女の子」、またその性別が逆という話も。
ただ、このジンクスは医学的には根拠はありません。
「お腹が前に出ていたら男の子」や「甘い食べ物が好きになったら女の子」といったジンクスと同様で、妊娠中の楽しみのひとつとして軽く捉えて、あまり振り回されないようにするとよいですね。
妊娠中の肌荒れ対策、効果的なスキンケアの方法
妊娠中の肌荒れ対策に、日々取り入れられるスキンケアについてまとめました。非妊娠時とは少し異なる視点での肌荒れケアが必要です。
基礎化粧品は敏感肌用やオーガニック製品を使う
妊娠するとホルモンバランスが変化するため、肌が敏感な状態が続きます。
妊娠前までいつも使っていた化粧品であっても、急に肌に合わなくなり肌荒れを引き起こしてしまうことも。
特に、肌の広範囲をケアする基礎化粧品やボディクリームは、敏感肌用やオーガニックといった低刺激成分でできた製品を使うと安心です。
保湿する
妊娠中の肌荒れは、乾燥から引き起こされる炎症や湿疹、かゆみが多く、十分に保湿することが大切です。
乾燥肌は肌のバリア機能が損なわれ、肌荒れを起こしやすい状態。
また、妊娠線の予防にも保湿ケアが効果的。顔だけでなく、お腹や足、腕など全身の保湿ケアを心掛けましょう。
お風呂上がりは特に乾燥が進むため時間との勝負です。肌にまだ水分が残っている状態で保湿すると効果的です。
内側からも外側からも水分補給を
ニキビが出やすいオイリー肌の人、カサカサな乾燥肌の人、どちらの肌質の人であっても、肌荒れ対策には十分に水分を補ってあげることが重要です。
肌は水分が不足すると、肌表面を潤わせようと余計に皮脂を分泌させる特性があります。
ニキビやオイリー肌の人こそ、まずはこまめに水分を飲んで内側からしっかりと水分補給をしましょう。
また、外側からの水分補給は化粧水をコットンにたっぷり染み込ませたコットンパックが効果的です。特に冬場は加湿器をかけるのもおすすめです。
十分に睡眠を取る
一度肌荒れしてしまった肌をきれいな状態に整えるためには、スキンケアだけでなく十分な睡眠が必要不可欠です。
特に、夜の10時から深夜2時にかけては肌の再生にとても大切な時間帯。この時間に分泌される成長ホルモンは、肌のターンオーバーを促す作用があります。
忙しくても肌荒れ対策のためには、夜の10時には落ち着いて眠りにつくようにしたいですね。
お腹が重くなると仰向けで眠りにくくなりますが、抱き枕を使って横向きになる「シムス体位」だと姿勢がらくちんですよ。
妊娠中に必要な栄養はサプリで効果的に摂取する
妊娠中は、赤ちゃんと母体の健康、そして肌荒れ対策のためにも栄養バランスの整った食生活を心掛けましょう。
栄養が不足すると、肌にハリがなくなり、また便秘にも繋がることで肌荒れしやすくなります。
「ビタミンC」を含む野菜やフルーツを中心に意識的に摂取しましょう。
なお、妊活中や妊娠中に必要とされる葉酸サプリを飲むことも、実は肌荒れ対策に繋がります。食事だけでは補えない栄養はサプリで効果的に摂るのがおすすめです。
妊娠中の肌荒れは産婦人科と皮膚科どちらを受診すればよい?
妊娠中の肌荒れが悪化してしまったとき、ホームケアと併せて、適切な外用薬を使った方がよいことがあります。
ただ、妊娠中は敏感肌になっているため、市販薬を使うよりも医師に処方してもらった方が安心です。妊娠中の肌荒れは、妊婦健診の際にかかりつけの医師にまずは相談してみましょう。
しかし、外用薬を処方してくれるかどうかは、医師によって判断が分かれます。必要に応じて皮膚科を受診するとよいでしょう。
妊娠中の肌荒れはいつかは終わる、スキンケアで乗り切ろう
妊娠するとホルモンバランスの乱れなどから、肌荒れに悩まされる妊婦さんは多いです。また、出産するまでは根治しにくいのも事実。
ホームケアで少しでも症状を改善し乗り切っていきたいですね。
もしも、湿疹やかゆみがつらい場合は、妊婦健診の際にかかりつけの医師に相談してみましょう。
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