【医師監修】乳児湿疹の予防に徹底したい自宅ケア、おすすめのケア製品は?
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新生児・赤ちゃんに現れる乳児湿疹とは?どんな症状?
乳児湿疹は、「乳児期の赤ちゃん」つまり新生児から1歳ごろまでの赤ちゃんに現れる乳児期特有の湿疹です。
ほとんどの赤ちゃんが少なくとも一度は乳児湿疹を経験します。顔にできるぶつぶつも頭皮にできるじゅくじゅくも、原因や症状は異なりますが、赤ちゃんの肌荒れをすべて総称して乳児湿疹と呼ばれています。
代表的な乳児湿疹の種類と症状をご紹介します。
新生児ニキビ
生後1週間~3ヶ月ごろの新生児の赤ちゃんにみられる乳児湿疹です。思春期のニキビと同じように、ほっぺやおでこに赤色や皮脂の芯がある黄色のぶつぶつの湿疹が現れます。
赤ちゃんの顔全体が真っ赤になるほど、広範囲にニキビができることもあります。
乳児脂漏性湿疹
新生児期~生後4ヶ月くらいまでの赤ちゃんに多い乳児湿疹。首から上の部位(おでこ、ほっぺ、眉毛)にフケのようなカサカサができたり、頭皮に黄色いかさぶたのような皮膚炎ができるのが特徴です。
見た目には痛々しく感じますが、赤ちゃん自身にかゆみや痛みはありません。
おむつかぶれ
おむつと肌がこすれる部分、またおむつにおおわれている部分に赤く湿疹ができる代表的な乳児湿疹です。
おむつをしている間は、頻繁に繰り返し発症してしまいます。症状がひどいときは、血がにじむほど真っ赤になることも。おむつかぶれはかゆみや痛みを感じるため、赤ちゃんにとっても不快です。
あせも
大人のあせもと同じように、汗が溜まりやすい部分に痛みとかゆみを伴う赤い湿疹ができます。汗っかきで体温が高くむちむちな体を持つ赤ちゃんは、特に手足のくびれ、首のシワにあせもができやすい傾向があります。
乾燥性湿疹
肌が乾燥に耐えられずカサカサになり、かゆみを伴う乳児湿疹が発生します。主に肌を露出しているほっぺや手足、面積の広いお腹や背中に症状が現れます。
乾燥していると皮膚のバリア機能が低下してしまうため、衣類とのこすれやよだれ、食べこぼしなど、少しの外部刺激でも乳児湿疹が起きやすくなってしまいます。
乳児湿疹の原因は?
生まれて間もない新生児の赤ちゃんは、一時的に増える男性ホルモンの影響で皮脂分泌が盛んです。そのうえ新陳代謝がよいのに対して、まだまだ毛穴が未発達なため、皮脂汚れや汗が毛穴に詰まりやすいのです。新生児ニキビや乳児脂漏性湿疹、あせもといった乳児湿疹は、この過剰な皮脂分泌と汗が原因となっています。
一方で、生後1ヶ月半~4ヶ月くらいになると皮脂分泌が落ち着き、今度は急激な乾燥が進みます。赤ちゃんの肌は大人の2分の1程度の薄さしかなく、水分をとどめておくことができません。そのため季節を問わず乾燥肌になりがち。
肌がカサカサしていると、皮膚を外部刺激から守ってくれる「バリア機能」が十分に働かないため、乳児湿疹を起こしやすいという悪循環に。また、ホコリなどのアレルゲンが皮膚内部に侵入しやすくなってしまうため、アレルギー体質を持っている場合は、アトピー性皮膚炎を発症してしまう可能性もあるかもしれません。
乳児湿疹=アトピー?赤ちゃんの肌荒れとアレルギーの関係
「乳児湿疹とアトピーの違いは?」「見分け方は?」多くのママたちが疑問を感じる点ですよね。そもそも乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は症状が似ているため、医師でも見分けるのが難しいといわれています。
乳児湿疹は成長と共に治まっていくもの
乳児湿疹は乳児期特有の期間限定の肌荒れ症状なので、赤ちゃんの成長と共に1歳を過ぎると自然に治まっていきます。
1~2歳を超えても慢性的な湿疹が続く場合は、アトピー性皮膚炎の可能性があるため、医療機関で一度アレルギー検査をしてみるとよいでしょう。
アトピーの定義
乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違いは慢性的に症状が続くかどうか。
日本皮膚科学会のアトピーガイドラインによると、「皮疹が頭、顔から出現し、しばしば体幹や四肢に拡大すること」、かつ「乳児の場合は2ヶ月以上症状が続く場合(乳児期以外では6ヶ月以上)」をアトピー性皮膚炎と定義しています(※1)。
カサカサもじゅくじゅくもこれで改善!乳児湿疹に効果的な5つのケア
およそ全体の8割もの赤ちゃんに現れるといわれる乳児湿疹。基本のケアを徹底して乳児湿疹の「原因」を排除することで、しっかりと予防・対策ができますよ。
どのケアも難しい方法ではありませんので、毎日実践してあげましょう。
1.保湿ケア
乳児湿疹の予防・対策には保湿ケアが欠かせません。保湿をしてあげることで、肌のバリア機能が高まり皮脂バランスが整うため、乳児湿疹の予防に効果的です。保湿ケアを習慣づけるだけで、大半の乳児湿疹は改善が期待できますよ。うるうるに潤いを保っている皮膚にはアレルゲンが侵入しにくいので、アトピー性皮膚炎の予防にも有効です!
赤ちゃんの保湿ケアには、肌に水分を補給してくれるベビーローションが必須。お風呂上がりは肌がやわらかくなっていて保湿剤が浸透しやすいので、ベビーローションをママの手に取り、やさしくマッサージするように顔と全身に塗ってあげましょう。保湿剤はケチらずにたっぷりと使うのがポイント。
おむつ替えのとき、汗をふいたあと、口周りのよだれ・食べこぼしをきれいにしてあげたあとも、保湿ケアをしてあげてください。
乾燥が激しい部分には、より保湿力の高いベビークリームやベビーバームなどをプラスしてケアしてあげるとよいですね。
◇おすすめケアアイテム! アロベビー ミルクローション
※おすすめ商品はシェリール編集部による選定
新生児の赤ちゃんから安心して使える、天然由来成分99%のベビーローション。気になる添加物は一切使用しておらず、世界的オーガニック基準の「エコサート認証」を取得しています。シアバターやホホバオイル配合の高保湿処で、しっとりもちもち肌に。
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●税込価格:2,530円
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(2020年1月30日 12:30時点)
※表示価格は、時期やサイトによって変更される場合があります。詳細はリンク先のサイトにてご確認ください。
2.お風呂ケア
生後1ヶ月頃~生後3ヶ月頃までの赤ちゃんは、とっても皮脂分泌量が多いのが特徴です。この時期の乳児湿疹対策は、特にお風呂ケアが大切。皮脂汚れをきれいに洗い流し清潔を保ってあげましょう。
とはいっても、ゴシゴシと力を入れて洗ったり、長時間の入浴は逆効果。必要な皮脂までもを取り除いてしまいます。お肌に負担をかけないように、1日に1回だけ、なるべく手際よく洗いましょう。
赤ちゃん用のベビーソープを使い、しっかり泡立てて泡で撫でるようにやさしく洗ってあげてください。摩擦でお肌を傷つけないようにするのがポイントです。シワになっている部分や、耳のうしろや首回りなども忘れずに。
◇おすすめケアアイテム! アロベビー ベビーソープ
※おすすめ商品はシェリール編集部による選定

出典:www.alo-organic.com
99%以上天然由来成分、石油系界面活性剤、パラベン不使用など肌への優しさにこだわってつくられた国産オーガニックのベビーソープ。
たっぷりサイズなので、全身をクリーミーな泡で包みながら洗うことができます。赤ちゃんを抱えながらも、簡単に泡が出せる泡立て不要のフォームタイプ。
●内容量:400ml
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※2020年6月より「アロベビーベビーソープ」をリニューアルいたしました。
※表示価格は、時期やサイトによって変更される場合があります。詳細はリンク先のサイトにてご確認ください。
3.爪切りケア
赤ちゃんは大人と違って、肌が乾燥しているとかゆみに耐え切れず、掻きむしってしましまいます。ひっかき傷の細菌が原因となって、感染性の皮膚トラブル「とびひ」になってしまうことも。
肌を傷つけないように、常に爪は短く切っておきましょう。乳児湿疹がひどいときには、手にミトンをつけてあげるのもよいですね。
4.衣類・寝具のケア
乳児湿疹の予防・対策には、赤ちゃんの肌に触れるものは常に清潔にするよう心掛けてください。赤ちゃんは1日の大半を寝て過ごすため、寝具についた皮脂やよだれの汚れ、ほこりなども乳児湿疹の原因になってしまいます。
また、衣類は通気性のよい素材を選び、汗をかいたらこまめに着替えさせるようにしてください。赤ちゃんは体温調節が苦手なので、基本は薄着にして重ね着をすることで対応しましょう。
汗をかきやすいので大人よりも1枚少ないぐらいがちょうどよいですよ。
5.湿度・室温のケア
夏場は汗をたくさんかいてあせもになりやすいため、赤ちゃんが快適に過ごせるように適切な室温を保ちましょう。高温多湿な日本であっても、冷房は27度前後に保ち、冷気を直接赤ちゃんに当てないようにすることも必要です。
特に外気が乾燥する秋~冬にかけては、赤ちゃんの肌がもっとも乾燥する季節。外気の乾燥によってすぐにカサカサの乳児湿疹になってしまうため、湿度にも気を配りましょう。湿度計と加湿器を用意し、50%台ぐらいの湿度にしておくと乾燥予防に理想的です。
それでも肌のカサカサ乾燥が気になる場合は、ベビーローションなどでこまめに保湿ケアをしてあげましょう。
乳児湿疹のスキンケアアイテムは肌に優しいものを選んで
せっかくスキンケアをしているのに、製品自体の成分が肌への負担となり、乳児湿疹の原因になってしまっては意味がありません。
敏感肌でちょっとした刺激にも弱い赤ちゃんに使うスキンケアアイテムは、成分をしっかり確認してから購入しましょう。鉱物油や合成着色料、合成香料、アルコール、合成ポリマー、シリコン、石油系界面活性剤などの成分は肌刺激となる可能性があるため注意が必要です。
まずは、「ベビー用」「赤ちゃんにも使える」といった表記のあるアイテムを選びましょう。ただし、ベビー用アイテムの中にも、化学合成成分が含まれていることはめずらしくありません。
無添加や国産オーガニックのように、成分にこだわっているものがおすすめです。
ケアしても乳児湿疹が治らないときは薬は使うべき?
乳児湿疹の薬は医師の指示に従う
上記でご紹介したような基本のケアを続けることで、大体の乳児湿疹は改善が期待できます。しかし乳児湿疹はそれぞれ原因が異なるため、中には自宅ケアだけでは症状が悪化してしまうこともあります。乳児湿疹の症状がひどい場合や長期間長引く場合は、かかりつけの小児科や皮膚科を受診して医師の判断を仰ぎましょう。
乳児湿疹の薬には大きく分けて、「非ステロイド外用薬」と「ステロイド外用薬」があります。非ステロイド系の塗り薬は、副作用がほとんどないため、赤ちゃんにも安心して使えます。対して、ステロイド系の塗り薬は効果が高い分、副作用が心配されます。
しかし、ステロイドはそもそも乳児湿疹の症状が軽い場合は処方されることはありませんので、医師の指示に従い、用量・用法を守って正しく使うことが大切です。
一番よくないのは自己判断で薬を使うこと。「以前処方された薬が残っているから」「ステロイド薬は赤ちゃんに心配だから」などの理由で勝手に判断しては、乳児湿疹が悪化し赤ちゃんに余計つらい思いをさせてしまいますよ。
乳児湿疹の薬はアトピーには効かないことも
一方で、乳児湿疹の薬はアトピー性皮膚炎には効果はなく、かえって症状が悪化する可能性もあります。「乳児湿疹」と診断されて処方された薬を使い続けても、効果がみられなかったり悪化した場合は、薬を使い続けずに医師に相談しましょう。
乳児期の肌荒れの原因は、医師でも正確に診断するのが難しいとされています。ママ・パパが気を付けて赤ちゃんの様子をみてあげてくださいね。
乳児湿疹は毎日のケア次第で予防・対策できる
乳児湿疹は、毎日のケア次第で予防・対策が期待できます。かわいい赤ちゃんのお顔が乳児湿疹で痛々しいのは、ママ・パパとしてもつらいものですよね。
赤ちゃんのモチモチですべすべな肌を守ってあげるためにも、大人以上の細やかなスキンケアが必要です。赤ちゃんの肌にやさしいケアアイテムとママ・パパの愛情の“ダブルケア”で、健やかな肌をキープしてあげましょう。